マッカで啓示された

[بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَـنِ الرَّحِيمِ ]

 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

[أَلْهَـكُمُ التَّكَّاثُرُ - حَتَّى زُرْتُمُ الْمَقَابِرَ - كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ - ثُمَّ كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ - كَلاَّ لَوْ تَعْلَمُونَ عِلْمَ الْيَقِينِ - لَتَرَوُنَّ الْجَحِيمَ - ثُمَّ لَتَرَوُنَّهَا عَيْنَ الْيَقِينِ - ثُمَّ لَتُسْـَلُنَّ يَوْمَئِذٍ عَنِ النَّعِيمِ ]

 (1. あなたがたは(財産や息子などの)多いことを張り合って、現を抜かす。) (2. 墓に追い立てられるまでも。) (3. いや、やがて(死後)あなたがたは(その真実を)知ろう。) (4. もう一度言おうか、いや、やがてあなたがたは知ろう。)  (5. いや、あなたがたは(今に)はっきり知るとよいのである。) (6. あなたがたは必ず獄火を見よう。) (7. その時あなたがたはそれを明確に目で見ることであろう。) (8. その日あなたがたは、(現を抜かしていた)享楽に就いて、必ず問われるであろう。)

 

 現世を愛し、来世を気にかけない結果

 皆が現世と現世の楽しみや装飾への愛で心を奪われている、そしてこのことが来世を求め願うことから気を逸らしている、とアッラーは仰せられている。これは、死が訪れて墓に入るまであなたを妨げ、そしてしまいに墓の住人になっている。 サヒーフ アル・ブハーリーのアッ・リカークの(心を和らげる)書に、 アナス ビン マーリクの伝えることとして、ウバイイ ビン カアブ がこう言ったことが記録されている、「私たちはこれはクルアーンの一部だと思っていた。次の節が啓示されるまでは、」

[أَلْهَـكُمُ التَّكَّاثُرُ ]

 ( あなたがたは多いことを張り合って,現を抜かす。)  彼は預言者 {saw} が次のように言ったハディースに言及していた、

«لَوْ كَانَ لِابْنِ آدَمَ وَادٍ مِنْ ذَهَب»

 ( もしアーダムの子が金の谷を持っているとすれば、彼はそのようなものをもう一つ欲しがるだろう )  

 

 イマーム アフマドは、アブドッラー ビン アッ・シフヒルがこう述べたと伝えている、「私がアッラーの使徒 {saw} のところへ言ったとき、彼はこう言っていた、

[أَلْهَـكُمُ التَّكَّاثُرُ ]

يَقُولُ ابْنُ آدَمَ: مَالِي مَالِي، وَهَلْ لَكَ مِنْ مَالِكَ إِلَّا مَا أَكَلْتَ فَأَفْنَـيْتَ، أَوْ لَبِسْتَ فَأَبْلَيْتَ، أَوْ تَصَدَّقْتَ فَأَمْضَيْتَ؟»

 

 ( あなたがたは多いことを張り合って,現を抜かす。)  ( アーダムの子は言う、「私の富、私の富」 と。しかし、あなたは富から何か(利益を)得ることがあるか。食べる物は終わる、着物を着てはすり減る、慈善として差し出して使われること以外に。 )  ムスリム、アッ・ティルミズィ、アン・ナサーイもこのハディースを記録している。

 

 ムスリムはサヒーフにアブ フライラが伝えることとしてアッラーの使徒 {saw} がこう言ったことを記録している、

«يَقُولُ الْعَبْدُ: مَالِي مَالِي، وَإِنَّمَا لَهُ مِنْ مَالِهِ ثَلَاثٌ: مَا أَكَلَ فَأَفْنَى، أَوْ لَبِسَ فَأَبْلَى، أَوْ تَصَدَّقَ فَأَمْضَى، وَمَا سِوَى ذَلِكَ فَذَاهِبٌ وَتَارِكُهُ لِلنَّاس»

 ( しもべは言う、「私の富、私の富」 と。それにしても、彼は三つ (の利益) を得るだけである。食べる物は終わり、着る物はすり減るまで、慈善に出した物は費やされる。その他の全部はなくなって、彼を人々のために残す。)  ムスリムだけがこのハディースを記録している。

 アル・ブハーリーはアナス ビン マーリクの伝えることとしてアッラーの使徒 {saw} が次のように言ったと記録している、

 

«يَتْبَعُ الْمَيِّتَ ثَلَاثَةٌ، فَيَرْجِعُ اثْنَانِ وَيَبْقَى مَعَهُ وَاحِدٌ: يَتْبَعُهُ أَهْلُهُ وَمَالُهُ وَعَمَلُهُ، فَيَرْجِعُ أَهْلُهُ وَمَالُهُ، وَيَبْقَى عَمَلُه»

 (3つのものは亡くなった人の後を追う。そのうち2つは戻り、1つは彼と一緒に後に残る。彼の後を追うものは、彼の家族、彼の富と彼の行為である。彼の行為は残るが、彼の家族と彼の富は帰る。)  このハディースはムスリム、アッ・ティルミズィ、アン・ナサーイによっても記録されている。

 イマーム アフマドは、アナス によることとして預言者がこう言ったと記録している、

  

«يَهْرَمُ ابْنُ آدَمَ وَيَبْقَى مِنْهُ اثْنَتَانِ: الْحِرْصُ وَالْأَمَل»

 (アーダムの子は老いて年をとるが、貪欲と望みの2つは彼に残されたままである。)  両方のサヒーフ (アル・ブハーリーと ムスリム) がこのハディースを記録している。

 

 地獄を見、享楽についてたずねられることについての脅威

 

[كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ - ثُمَّ كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ ]

 (いや,やがてあなたがたは知ろう。 -  もう一度言おうか,いや,やがてあなたがたは知ろう。)   アル・ハサン アル・バスリ は、「これは脅威の後の脅威である」 と言った。 アッ・ダッハークは、

[كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ ]

 (いや,やがてあなたがたは知ろう。)  「は、『不信者よ』 ということである。

[ثُمَّ كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ ]

 (もう一度言おうか,いや,やがてあなたがたは知ろう。) は、『信者よ』 ということである」 と言った。

 それからアッラーは仰せられる、

[كَلاَّ لَوْ تَعْلَمُونَ عِلْمَ الْيَقِينِ ]

 (いや,もしあなたがたが確かな知識で知ったら) 「もしあなたがたが真実の知識で知ったら、あなたは富をめぐる競争をして道を逸れたりせず、墓に着くまで来世の住居を求めることであろう。」 ということである。

 それから、アッラーは仰せられる、

[لَتَرَوُنَّ الْجَحِيمَ - ثُمَّ لَتَرَوُنَّهَا عَيْنَ الْيَقِينِ ]

 (あなたがたは必ず獄火を見よう。 - その時あなたがたはそれを明確に目で見ることであろう。)  これは、前に

[كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ - ثُمَّ كَلاَّ سَوْفَ تَعْلَمُونَ ]

 (いや,やがてあなたがたは知ろう。 -  もう一度言おうか,いや,やがてあなたがたは知ろう。)   とアッラーが仰せられたことに関する脅威の説明である。