マッカで啓示された
[بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَـنِ الرَّحِيمِ ]
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。
[وَيْلٌ لِّكُلِّ هُمَزَةٍ لُّمَزَةٍ - الَّذِى جَمَعَ مَالاً وَعَدَّدَهُ - يَحْسَبُ أَنَّ مَالَهُ أَخْلَدَهُ - كَلاَّ لَيُنبَذَنَّ فِى الْحُطَمَةِ - وَمَآ أَدْرَاكَ مَا الْحُطَمَةُ - نَارُ اللَّهِ الْمُوقَدَةُ - الَّتِى تَطَّلِعُ عَلَى الاٌّفْئِدَةِ - إِنَّهَا عَلَيْهِم مُّؤْصَدَةٌ - فِى عَمَدٍ مُّمَدَّدَةِ ]
(1. 災いなるかな,凡ての悪口を言って中傷する者。) (2. 財を集めて計算する(のに余念のない)者。) (3. 本当にその財が,かれを永久に生かすと考えている。) (4. 断じてそうではない。かれは必ず業火の中に,投げ込まれる。) (5. 業火が,何であるかをあなたに理解させるものは何か。) (6. (それは)ぼうぼうと燃えているアッラーの火,) (7. 心臓を焼き尽し,) (8. かれらの頭上に完全に覆い被さり,) (9. (逃れることの出来ない)列柱の中に。)
アル・ハンマーズ は言葉による (中傷) のこと、そして、 アッ・ランマーズ は行動による (中傷) のことである。これは、人々のあら捜しをして、その人々を軽視することを意味する。 これについての説明は、次に挙げるアッラーの御言葉についての論考ですでになされている。
[هَمَّازٍ مَّشَّآءِ بِنَمِيمٍ ]
(ハンマーズ、中傷し歩き回る) (68:11) イブン アッバースは、「フマザ ルマザ は、(他者を)罵り辱める者を意味する」 と言った。ムジャーヒドは、「アル・フマザ は手と目で、アッ・ルマザ は 舌で」 と言った。
そして、アッラーは仰せられている、
[الَّذِى جَمَعَ مَالاً وَعَدَّدَهُ ]
( 財を集めて計算する者。) 彼は財を集め、束にして積み重ねて数え上げるということである。
これは次のアッラーの御言葉と同様のことである、
[وَجَمَعَ فَأَوْعَى ]
(また蓄積し,隠匿の金を持つ者をも。) (70:18) これはアッ・スッディ と イブン ジャリール が言ったことである。
ムハンマド ビン カアブは、アッラーの御言葉
[جَمَعَ مَالاً وَعَدَّدَهُ]
( 財を集めて計算する) について、「彼は日中、あれやこれやと自分の富のために時間を取られる。そして夜が来ると、彼は腐りかけの死体のように眠る。」 と述べている。
そしてアッラーは仰せられる、
[يَحْسَبُ أَنَّ مَالَهُ أَخْلَدَهُ ]
( 本当にその財が,かれを永久に生かすと考えている。) 彼は富を集めることでこの住まい(現世)に永遠にいることができると思っている、ということである。
[كَلاَّ]
( 断じてそうではない。) 事は彼が言うようではないし、彼が考えるようでもない、ということである。
そしてアッラーは仰せられる、
[لَيُنبَذَنَّ فِى الْحُطَمَةِ]
( かれは必ずアル・フタマの中に,投げ込まれる。) 富を集めて数えていた者は、アル・フタマに投げ込まれるということである。アル・フタマは業火を描写する名前の一つであるが、それは、その中にいる者は誰でも押しつぶされるためである。
そして、アッラーは仰せられる、
[وَمَآ أَدْرَاكَ مَا الْحُطَمَةُ - نَارُ اللَّهِ الْمُوقَدَةُ - الَّتِى تَطَّلِعُ عَلَى الاٌّفْئِدَةِ ]
( アル・フタマが,何であるかをあなたに理解させるものは何か。 - アル・ムーカダ、アッラーの火, - 心臓を焼き尽し,) タービト アル・ブナニ は言った、「それは彼らを心臓まで焼き尽くす。生きていながら。」 それから 「責苦は本当に彼らに及ぶ。」 と言って、泣いた。ムハンマド ビン カアブ は、「それ(火)は彼の体のあらゆる部分を呑み込み、彼の心臓に達する。そして、喉のところまで上がってきてから、体に戻る。」 と言った。
次のアッラーの御言葉について
[إِنَّهَا عَلَيْهِم مُّؤْصَدَةٌ ]
( それはかれらの上ムゥサダ,) スーラト アル・バラドのタフスィールで述べたように( 90:20 参照)、覆うという意味である。
そしてアッラーは仰せられる、
[فِى عَمَدٍ مُّمَدَّدَةِ ]
( いっぱいに伸びた列柱の中に。) アティヤ アル・アウフィ は、「鉄柱」 と言った。アッ・スッディは、「火でできている」 と言った、アル・アウフィ はイブン アッバースの伝えることとして述べている、「かれは彼らをいっぱいに伸びた柱に入らせる。つまり、彼らの上に柱があるということである。そして、彼らは首を鎖で繋がれている。(地獄の)門は彼らの頭上で閉じられている。」
これでスーラト アル・フマザのタフスィールを終える。すべての称賛と感謝はアッラーにあれ。