マディーナで啓示された
アル・ムアッウィザタインに関するイブン マスウードの立場
イマーム アフマド は ズィッル ビン フバイシュ の伝えることとして、ウバイイ ビン カアブ が彼に、「イブン マスウード は ムアッウィザタイン を自分の ムスハフ (クルアーンの写し) に収録しなかった」 と言ったことを記録している。それで ウバイイ は言った、「私は、アッラーの使徒が私に伝えたことを証言する。ジブリールが彼に言った、
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]
(言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) (113:1) それで彼はそう言った。ジブリールは彼に言った、
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]
(言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) (114:1) それで彼はそう言った。 それゆえ、私たちは預言者が言ったことを言うのである。」
アル・ファラク章 と アン・ナース章 の徳
『サヒーフ ムスリム』 に、ウクバ ビン アーミル によるとアッラーの使徒 {saw} がこう言ったことを、ムスリムは記録している。
«أَلَمْ تَرَ آيَاتٍ أُنْزِلَتْ هَذِهِ اللَّيْلَةَ لَمْ يُرَ مِثْلُهُنَّ قَطُّ:
(今夜私に啓示された節があることを知らないか。以前に見られなかったようなものである。それは、
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]»
(言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) (113:1) と
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]
(言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) (114:1) である。)
このハディースはアフマド、アッ・ティルミズィ、アン・ナサーイによって記録され、アッ・ティルミズィは「ハサン サヒーフ」であるとしている。
別の文言
イマーム アフマド が記録しているほうでは、ウクバ ビン アーミルはこう言った、「私が道でアッラーの使徒 {saw} の前に立って歩いていた時、彼は言った、
«يَا عُقْبَةُ أَلَا تَرْكَبُ؟»
(ウクバよ、乗らないか。) 私はそうすると不服従の行為としてみなされてしまうのではないかと心配した。 それでアッラーの使徒 {saw} は降りて私がしばらく乗った。それから彼が乗って、そして言った、
«يَا عُقْبَةُ، أَلَا أُعَلِّمُكَ سُورَتَيْنِ مِنْ خَيْرِ سُورَتَيْنِ قَرَأَ بِهِمَا النَّاسُ؟»
(ウクバよ、あなたにどうして二つの章のことを教えないでいようか。人々が読むのに一番良い章のうちに入るものである。) 私は言った、『はい、アッラーの使徒よ、ぜひ。』 それで彼は私に読むことを教えてくださった、
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]
(言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) (113:1) と
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]
(言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) (114:1) を。 それから礼拝を始めるための呼びかけがなされ、アッラーの使徒 {saw} は(人々を先導するために)前に進んだ。そして彼はその二つの章を礼拝で読んだ。その後彼は私のそばを通りかかって言った、
«كَيْفَ رَأَيْتَ يَا عُقَيْبُ، اقْرَأْ بِهِمَا كُلَّمَا نِمْتَ وَكُلَّمَا قُمْتَ»
(ウカイブよ、就寝する時と起きた時にいつもこの二つの章を読むのはどうか。) と。」 アン・ナサーイ と アブ ダーウード もこのハディースを収録している。
別の文言
別のハディースでは、
«إِنَّ النَّاسَ لَمْ يَتَعَوَّذُوا بِمِثْلِ هَذَيْنِ:
(まことに、この二つのようなもので人々は加護を求めない。
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]
(言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) (113:1) と
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]»
(言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) (114:1) 。)
別の文言
アン・ナサーイは、ウクバ ビン アーミルがこう言ったと記録している、「私がアッラーの使徒 {saw} と歩いていると、彼は言った、
«يَا عُقْبَةُ قُلْ»
(ウクバよ、言いなさい。) 私は 『何と言えばよいのでしょうか』 と答えた。 すると彼は黙って、私に返事をしなかった。それから言った、
«قُلْ»
(言え) 私は、『アッラーの使徒よ、何と言えばよいのでしょうか』 と応えた。彼は言った、
«[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]»
(言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) それで私はそれを終わりまで読んだ。 その時彼は言った、
«قُلْ»
(言え) 私は、『アッラーの使徒よ、何と言えばよいのでしょうか』 と応えた。彼は言った、
«[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]»
(言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) それで私はそれを終わりまで読んだ。それからアッラーの使徒 {saw} は言った、
«مَا سَأَلَ سَائِلٌ بِمِثْلِهَا، وَلَا اسْتَعَاذَ مُسْتَعِيذٌ بِمِثْلِهَا»
(嘆願する者はこれらのような他のもので嘆願しない。ご加護を願う者はこれらのような他のもので加護を願わない。)
別のハディース
アン・ナサーイは、アビス アル・ジュハニによると預言者 {saw} が彼にこう言ったと記録している、
«يَا ابْنَ عَابِسٍ أَلَا أَدُلُّكَ أَوْ أَلَا أُخْبِرُكَ بِأَفْضَلِ مَا يَتَعَوَّذُ بِهِ الْمُتَعَوِّذُونَ؟»
(イブン アビスよ、ご加護を求める者が守るために使う一番よいものにあなたを導こう -- あるいは、それについてあなたに知らせよう -- ) 彼は答えた、「ぜひお願いします、アッラーの使徒よ。」 預言者 {saw} は言った、
«[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ الْفَلَقِ ]
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبِّ النَّاسِ ]
هَاتَانِ السُّورَتَانِ»
((言え,「アル・ファラクの主にご加護を乞い願う。」) と (言え,「ご加護を乞い願う,人間の主,) この2つの章 (が、一番の守護である)。)
イマーム マーリクはアーイシャによることとして記録している。 アッラーの使徒は病気に苦しんでいた時いつも自分にムアッウィザタインを読み、(自分の体に)息を吹きかけていた。それから痛みが激しくなると、アーイシャが彼にムアッウィザタインを読み、彼の手を取って彼の体をなでてこれらの章の祝福を求めた、と彼女が言った。アル・ブハーリー、アブ ダーウード、アン・ナサーイ、イブン マジャ らがこのハディースを記録している。
アブ サイードによると、アッラーの使徒はジンと人間の邪視に対してご加護を求めたものであったという。しかし、ムアッウィザタインが啓示されると、彼はそれを (守護に) 用いて、それ以外のほかのすべてをやめた。アッ・ティルミズィ、アン・ナサーイ、イブン マジャ がこれを記録している。アッ・ティルミズィは、「このハディースはハサン サヒーフである」 と述べた。
[بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَـنِ الرَّحِيمِ
(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。
[قُلْ أَعُوذُ بِرَبّ الْفَلَقِ- مِن شَرّ مَا خَلَقَ- وَمِن شَرّ غَاسِقٍ إِذَا وَقَبَ- وَمِن شَرّ النَّفَّـثَـتِ فِى الْعُقَدِ- وَمِن شَرّ حَاسِدٍ إِذَا حَسَدَ-]
(1. 言え、「黎明の主にご加護を乞い願う。」) (2. 「かれが創られるものの悪(災難)から、」) (3. 「深まる夜の闇の悪(危害)から、」) (4. 「結び目に息を吹きかける(妖術使いの)女たちの悪から、」) (5. 「また、嫉妬する者の嫉妬の悪(災厄)から。」)
イブン アビ ハーティム は、ジャリールが 「アル・ファラクは朝である」 と言ったことを記録している。アル・アウフィは、イブン アッバースによることとして、「アル・ファラクは朝である」 と記録している。 ムジャーヒド、サイード ビン ジュバイル、アブドッラ ビン ムハンマド ビン アーキル、アル・ハサン、カターダ、ムハンマド ビン カアブ アル・クラズィ、イブン ザイド らも同様に報告している。
マーリクはまた、ザイド ビン アスラム、アル・クラズィ、イブン ジャリール らがこう言ったことを報告している、「これはアッラーが次のように仰せられたこと
[فَالِقُ الإِصْبَاحِ]
(かれは,夜明を打ち開く方であり,) (6:96) と同様のことである。」
アッラーは仰せられた、
[مِن شَرِّ مَا خَلَقَ ]
( 「かれが創られるものの悪(災難)から、」) これは全ての被造物の悪から、ということである。タービト アル・ブナニ と アル・ハサン アル・バスリ は言った、「地獄、イブリースとイブリースの子孫、かれ(アッラー)が創造されたものから。」
[وَمِن شَرِّ غَاسِقٍ إِذَا وَقَبَ ]
( 「ワカブの時のガースィクの悪(危害)から、」) ムジャーヒドは言った、「ガースィクは夜、そして 「ワカブの時」 は、日没のことである。」 アル・ブハーリーが彼から伝えられていることとしてこれを記した。イブン アビ ナジフ も彼(ムジャーヒド)によることとして似た文言を報告している。
イブン アッバース、ムハンマド ビン アル・クラズィ、アッ・ダッハーク、クサイフ、アル・ハサン、カターダによって同様に述べられている。彼らは、「まことに、暗闇が近づくと夜である。」 と言った。
アッ・ズフリは言った、
[وَمِن شَرِّ غَاسِقٍ إِذَا وَقَبَ ]
( 「ワカブの時のガースィクの悪(危害)から、」) 「これは、沈んだときの太陽のことである。」
アブ アル・ムハッズィムは、アブ フライラがこう言ったと報告している、
[وَمِن شَرِّ غَاسِقٍ إِذَا وَقَبَ ]
( 「ワカブの時のガースィクの悪(危害)から、」) ) 「これは星のことである。」