イムラーン家章 1ページ目へ

 

[فَلَمَّآ أَحَسَّ عِيسَىٰ مِنْهُمُ الْكُفْرَ قَالَ مَنْ أَنصَارِي إِلَى اللَّهِ قَالَ الْحَوَارِيُّونَ نَحْنُ أَنْصَارُ اللَّهِ آمَنَّا بِاللَّهِ وَاشْهَدْ بِأَنَّا مُسْلِمُونَ - رَبَّنَآ آمَنَّا بِمَآ أَنزَلَتْ وَاتَّبَعْنَا الرَّسُولَ فَاكْتُبْنَا مَعَ الشَّاهِدِينَ - وَمَكَرُواْ وَمَكَرَ اللَّهُ وَاللَّهُ خَيْرُ الْمَاكِرِينَ ]

 (52. イーサーは,かれらが信じないのを察知して,言った。「アッラー (の道)のために,わたしを助ける者は誰か。」弟子たちは言った。「わたしたちは,アッラー(の道)の援助者です。わたしたちはアッラーを信じます。わたしたちがムスリムであることの証人となって下さい。) (53. 主よ,わたしたちは,あなたが下されたものを信じ,あなたの使徒に従います。それでわたしたちを証人たちと一緒に,書きとめて下さい。」) (54. かれら(不信者)は策謀したが,アッラーも策謀なされた。だが最も優れた策謀者は,アッラーであられる。)

 

 弟子たちがイーサーを援助する

 アッラーは仰せられた、 

[فَلَمَّآ أَحَسَّ عِيسَىٰ]

 ( イーサーは,察知して,) イーサーは、彼らの信じないという決意が固く、誤った導きの上にい続けるのを感じたということである。 彼は彼らに言った。

[مَنْ أَنصَارِي إِلَى اللَّهِ]

 ( 「アッラー (の道)のために,わたしを助ける者は誰か。」 )  ムジャーヒドは注釈している、「アッラー (の道)のために私に従う者は誰か、という意味である。」 と。 しかしながら、イーサーは、「アッラーの御言葉を伝えるのに私を助ける者は誰か。」 とたずねていたようである。

 

 預言者 {saw} は、ヒジュラ前、ハッジの時期に言った、 

«مَنْ رَجُلٌ يُؤْوِينِي حَتَّى أُبَلِّغَ كَلَامَ رَبِّي؟، فَإِنَّ قُرَيْشًا قَدْ مَنَعُونِي أَنْ أُبَلِّغَ كَلَامَ رَبِّي»

 (私が主の御言葉を伝えることができるように、私に亡命者としての保護を与えてくれるのは誰か。クライシュ族が私が主の御言葉を伝えるのをじゃましてきたために。)  彼がアンサールを見つけるまで。アンサールは預言者 {saw} を助け、彼に保護を与えた。彼は後に彼らのところへ移住したが、彼らは預言者をもてなし、彼のすべての敵から彼を守った。彼ら全員にアッラーのご満悦がありますように。

 

 これは、イーサーに起きたことと同じようなことである。イスラエルの子らのいくらかは彼を信じ、助け、支持し、彼と一緒に齎された光に従った。そのため、アッラーはそのような人々について仰せられた。

 

[فَلَمَّآ أَحَسَّ عِيسَىٰ مِنْهُمُ الْكُفْرَ قَالَ مَنْ أَنصَارِي إِلَى اللَّهِ قَالَ الْحَوَارِيُّونَ نَحْنُ أَنْصَارُ اللَّهِ آمَنَّا بِاللَّهِ وَاشْهَدْ بِأَنَّا مُسْلِمُونَ - رَبَّنَآ آمَنَّا بِمَآ أَنزَلَتْ وَاتَّبَعْنَا الرَّسُولَ فَاكْتُبْنَا مَعَ الشَّاهِدِينَ ]

 (アル・ハワーリーユーン は言った。「わたしたちは、アッラー(の道)の援助者です。わたしたちはアッラーを信じます。わたしたちがムスリムであることの証人となって下さい。 - 主よ、わたしたちは、あなたが下されたものを信じ、あなたの使徒に従います。それでわたしたちを証人たちと一緒に、書きとめて下さい。」)

 

 ハワーリ はアラビア語で 「援助」 という意味である。二つのサヒーフは、アル・アフザーブの戦いの時に預言者 {saw} が人々を戦うように励ましたときのことを記録している。アッ・ズバイルが前に進み出た。預言者 {saw} が二度目に戦士を求めたときも、再びアッ・ズバイルであった。預言者 {saw} は言った、

«إِنَّ لِكُلِّ نَبِيَ حَوَارِيًّا، وَحَوَارِيِّي الزُّبَيْر»

 (各預言者には一人のハワーリがいるが、アッ・ズバイルは私のハワーリである。)

 イブン アビ ハーティムは、イブン アッバースが言ったことについて記している。

[فَاكْتُبْنَا مَعَ الشَّاهِدِينَ]

 (それでわたしたちを証人たちと一緒に、書きとめて下さい。)  「ムハンマドのウンマの中の、という意味である。」 このハディースの継承経路は良い。

 



 

 イーサーを殺害しようとするユダヤ教徒の企み

 アッラーはイスラエルの子らがイーサー {عليه السلام} を殺害しようとしたことを述べている。彼らはイーサーを中傷して磔にしようと企み、不信者であった王に彼のことを訴えた。イーサーは人々に誤った導きをし、王に従うことを思いとどまらせる者であると主張した。彼は分裂を生じさせる者で、人とその息子との間を引き離す者であると述べた。彼らはその他にもイーサーについて嘘をついた。

 , which they will carry on their necks, including accusing him of being an illegitimate son.

إلى غير ذلك مما تقلدوه في رقابهم ورموه به من الكذب، وأنه ولد زانية

王は激怒し、イーサーを拷問し磔にするために、捕らえる者を遣わした。彼らがイーサーの家を取り囲み、彼もいよいよ捕らえられると思った時、アッラーは彼をその家から天国のかれの御許へ上げられて彼らからお救いになった。アッラーは家の中にいたある男性にイーサーの容貌をつけられた。

 ورفعه من رَوْزَنَة ذلك البيت إلى السماء،

不正を行う人々が家の中に入ってきたとき、まだ暗かったのだが、彼らはその男性をイーサーであると思った。彼らは彼を捕らえ、辱めて磔にした。彼らはまた彼の頭に棘を載せた。しかしながら、アッラーはこの人々を欺いたのである。かれは預言者を彼らから救い、上げられた。彼らには首尾よく目的を達成したと思わせ、罪悪の暗闇の中で混乱しているままにさせておいた。アッラーが彼らの心を頑なにされ、真理に反抗的にされたのである。このように復活の日まで残るような辱めで不名誉を与えられた。このため、アッラーは仰せられた、

 

[وَمَكَرُواْ وَمَكَرَ اللَّهُ وَاللَّهُ خَيْرُ الْمَاكِرِينَ ]

 (54. かれら(不信者)は策謀したが、アッラーも策謀なされた。だが最も優れた策謀者は、アッラーであられる。)

 

[إِذْ قَالَ اللَّهُ يَا عِيسَىٰ إِنِّي مُتَوَفِّيكَ وَرَافِعُكَ إِلَىَّ وَمُطَهِّرُكَ مِنَ الَّذِينَ كَفَرُوا وَجَاعِلُ الَّذِينَ اتَّبَعُوكَ فَوْقَ الَّذِينَ كَفَرُوا إِلَىٰ يَوْمِ الْقِيَامَةِ ثُمَّ إِلَيَّ مَرْجِعُكُمْ فَأَحْكُمُ بَيْنَكُمْ فِيمَا كُنتُمْ فِيهِ تَخْتَلِفُونَ - فَأَمَّا الَّذِينَ كَفَرُوا فَأُعَذِّبُهُمْ عَذَاباً شَدِيداً فِي الدُّنْيَا وَالآخِرَةِ وَمَا لَهُمْ مِّن نَّاصِرِينَ - وَأَمَّا الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ فَيُوَفِّيهِمْ أُجُورَهُمْ وَاللَّهُ لاَ يُحِبُّ الظَّالِمِينَ - ذَٰلِكَ نَتْلُوهُ عَلَيْكَ مِنَ الآيَاتِ وَالذِّكْرِ الْحَكِيمِ ]

 (55. アッラーがこう仰せられた時を思い起せ。「イーサ―よ、われはあなたを召し、われのもとにあげて、不信心者(の虚偽)から清めるであろう。またわれは、あなたに追従する者を、審判の日まで、不信心の者たちの上位におくであろう。それからあなたがたは(皆)われの許に帰り、あなたがたが争っていたことに就いて、われは裁決を下すであろう。) (56. その時われは、現世においても来世でも不信心な者たちに厳しい懲罰を与えよう。(誰一人)かれらを助ける者もない。」) (57. 主は信仰して善行に勤む者を(十分に)報奨される。だがアッラーは、不義を行う者を御好みにならない。) (58. 「これはわれがあなたに読み聞かせる印であり、また英知に満ちた教訓である。」)

 

 あなたを召し、の意味

 アッラーは仰せられた、

[إِنِّي مُتَوَفِّيكَ وَرَافِعُكَ إِلَىَّ]

 (われはあなたを召し、われのもとにあげて、)  あなたが寝ている間に。

 アッラーは同様の節で仰せられた、

[وَهُوَ الَّذِي يَتَوَفَّاكُم باللَّيْلِ ]

 (かれこそは、夜間あなたがたの魂を召される方で、) [6:60]

 また、 

[اللَّهُ يَتَوَفَّى الأَنفُسَ حِينَ مَوْتِـهَا وَالَّتِي لَمْ تَمُتْ فِي مَنَامِـهَا]

 (アッラーは(人間が)死ぬとその魂を召され、また死なない者も、睡眠の間(それを召し)、) [39:42].

 アッラーの使徒は目覚めると、次ぎの言葉を読んでいたものであった、

«الْحَمْدُ للهِ الَّذِي أَحْيَانَا بَعْدَ مَا أَمَاتَنَا، وَإِلَيْهِ النُّشُور»

 (アル・ハムドリラー。私たちを死なせた(眠らせた)後に再び生を与えられるお方。そして彼の元へ、帰るのである。)

 

 アッラーは仰せられた、 

[ وَبِكُفْرِهِمْ وَقَوْلِهِمْ عَلَىٰ مَرْيَمَ بُهْتَاناً عَظِيماً ]

[وَقَوْلِهِمْ إِنَّا قَتَلْنَا الْمَسِيحَ عِيسَى ابْنَ مَرْيَمَ رَسُولَ اللَّهِ وَمَا قَتَلُوهُ وَمَا صَلَبُوهُ وَلَـٰكِن شُبِّهَ لَهُمْ]

[ وَإِنَّ الَّذِينَ اخْتَلَفُوا فِيهِ لَفِي شَكٍّ مِّنْهُ مَا لَهُمْ بِهِ مِنْ عِلْمٍ إِلاَّ اتِّبَاعَ الظَّنِّ وَمَا قَتَلُوهُ يَقِيناً ]

[ بَل رَّفَعَهُ اللَّهُ إِلَيْهِ وَكَانَ اللَّهُ عَزِيزاً حَكِيماً ]

[ وَإِن مِّنْ أَهْلِ الْكِتَابِ إِلاَّ لَيُؤْمِنَنَّ بِهِ قَبْلَ مَوْتِهِ وَيَوْمَ الْقِيَامَةِ يَكُونُ عَلَيْهِمْ شَهِيداً ]

 (かれらは不信心のため、またマルヤムに対する激しい中傷の言葉のために、) 

 (「わたしたちはアッラーの使徒,マルヤムの子マスィーフ(メシア),イーサーを殺したぞ」という言葉のために(心を封じられた)。だがかれらがかれ(イーサー)を殺したのでもなく,またかれを十字架にかけたのでもない。只かれらにそう見えたまでである。本当にこのことに就いて議論する者は,それに疑間を抱いている。かれらはそれに就いて(確かな)知識はなく,只臆測するだけである。だが実際にはかれを殺したのでもなく,)  

  ( いや、アッラーはかれを、御側に召されたのである。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。)

 (啓典の民の中、かれの死ぬ前にしっかりかれを信じる者は一人もいなかった。審判の日において、かれはかれらにとって(不利な)証人となろう。) [4:156-159]  

 「かれの死ぬ」 はイーサーのことであり、この節の意味することは、啓典の民は、イーサーが死ぬ前にイーサーを信じるだろうということである。それはイーサーが復活の日の前にこの世に戻ってくるときに起きる。それについては後に説明するが、その時までに啓典の民すべてはイーサーを信じるだろう。彼はジズヤを無効にし、人々からイスラームだけを認める。

 イブン アビ ハーティムは、アル・ハサンがアッラーの御言葉

[إِنِّي مُتَوَفِّيكَ]

 (われはあなたを召し、)  について、「これは眠りに関連している。 アッラーはイーサーが眠っている間に彼を上げられたのだ。」 と言ったことを記録している。

 

 イーサーの教えに代わるもの

 アッラーは仰せられた、

[وَمُطَهِّرُكَ مِنَ الَّذِينَ كَفَرُوا]

 (不信心者(の虚偽)から清めるであろう。)  あなたを天国へ上げることによって。

[وَجَاعِلُ الَّذِينَ اتَّبَعُوكَ فَوْقَ الَّذِينَ كَفَرُوا إِلَىٰ يَوْمِ الْقِيَامَةِ]

 (またわれは、あなたに追従する者を、審判の日まで、不信心の者たちの上位におくであろう。)

 これは起こったことである。アッラーがイーサーを天国へ上げられたとき、彼に従っていた人々は宗派、グループに分かれた。彼らの中のある者たちは、アッラーがイーサーを何として遣わしたかを信じていた。アッラーのしもべ、アッラーの使徒、アッラーの女性のしもべの息子であると。しかし、ほかの者たちはイーサーについて極端に走り、彼をアッラーの息子であると信じた。イーサーをアッラー自身であると言う者もいた。一方では彼を三位の一つであると言う者もいた。アッラーはクルアーンでこのような間違った信条に言及し、彼らを論破されている。コンスタンティヌスというあるギリシャの王がキリスト教を破滅させる目的でキリスト教徒になるキリスト紀元三世紀まで、キリスト教徒はこのような状況でいた。コンスタンティヌスは賢人であったか、まったくの無知であったかのどちらかであった。 コンスタンティヌスは、何かを付け加えたり削除したりして、イーサーの宗教を変えた。彼はキリスト教の儀式を制定し、いわゆるグレイト・トラストを確立したが、それは実際はグレイト・トレチャリ(不信行為)である。彼はまた、彼らに豚肉を食べることを許可し、イーサ

والأمانة الكبيرة -التي هي الخيانة الحقيرة-

ーが東に制定した祈りの方向を変え、イーサーのために教会を建設し、犯した罪の補償として10日を断食に加えた。そのようなわけで、イーサーの宗教はコンスタンティヌスの宗教になった。コンスタンティヌス は、自分の名前を冠した都市コンスタンティノープル (イスタンブール) を建設しただけでなく、キリスト教徒に 12,000 の教会、寺院、修道院を建てた。 この間中、キリスト教徒はユダヤ教徒の上に立ち、彼らを支配していた。アッラーはユダヤ教徒に対してキリスト教徒のほうを助けられた。なぜなら、彼らはユダヤ教徒たちよりも真理に近かったためである。どちらも、むかしも今も不信者であるが。アッラーのお怒りが彼らに下されるように。

 アッラーがムハンマド {saw} を遣わされたとき、彼を信じた人々はまたアッラー、天使、啓典、使徒たちのことを正しく信じた。よって、彼らは、地上に来た各預言者に真に従う者たちであった。彼らは、真理をそっくりそのまま信じるようにと彼らに呼びかけた読み書きの出来ない預言者、最後の使徒、全人類の導き手を信じた。そのため彼らはそれぞれの預言者について、より権利を持っている。その預言者が遣わされた民よりも。特に、自分たちの預言者のやり方と宗教に従うと主張しながらその宗教を変えてしまう者たちよりも。さらにアッラーは、ムハンマドに携えさせた法により、それ以前の預言者たちに齎したすべての法を廃止した。その新しい法は真の宗教から成るもので、終末の時まで決して変わらないものである。ムハンマドの宗教は他の全ての宗教より常に優位を占め、勝る。そのためアッラーはムスリムに世界の東西の各地域、地上の王国を征服することを許された。そしてあらゆる国が彼らに屈し、ムスリムはキスラ(ペルシャの王)を滅ぼし、皇帝を滅ぼし、宝を取り上げてアッラーの道のために使った。これらすべてのことは、アッラーの御言葉を広めていた時に、預言者がそうなると言った通りに起きた。

 

[وَعَدَ اللَّهُ الَّذِينَ آمَنُوا مِنْكُمْ وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ لَيَسْتَخْلِفَنَّهُمْ فِي الأَرْضِ كَمَا اسْتَخْلَفَ الَّذِينَ مِن قَبْلِهِمْ وَلَيُمَكِّنَنَّ لَهُمْ دِينَهُمُ الَّذِي ارْتَضَىٰ لَهُمْ وَلَيُبَدِّلَنَّهُمْ مِّن بَعْدِ خَوْفِهِمْ أَمْناً يَعْبُدُونَنِي لاَ يُشْرِكُونَ بِي شَيْئاً]

 (アッラーは,あなたがたの中,信仰して善い行いに勤しむ者には,あなたがた以前の者に継がせたように,この大地を継がせることを約束なされた。そしてかれらのために,かれが選ばれるものを,かれらの揺ぎのない宗教となされ,かれらの恐怖(不安の生活)を,安心無事(の境遇)に変えられる。かれらはわれに仕え,われに何ものをも配しない。) [24:55].

 従って、ムスリムはイーサーを真に信じる者である。そしてムスリムはアッシャームをキリスト教徒から獲得し、キリスト教徒は小アジア (コンスタンティノープルの彼らの要塞都市) へ立ち退いた。 ムスリムは復活の日まで彼らの上にいるだろう。ムハンマド {saw} は嘘を言わない人物で、また真実の知らせを受けていたのであるが、その彼 {saw} がムスリムに、将来彼らがコンスタンチノープルを征服してその財宝を手にするだろうと伝えた。

 



 

 不信者に対する現世と来世での責苦の脅威

 アッラーは仰せられた、

[ وَجَاعِلُ الَّذِينَ اتَّبَعُوكَ فَوْقَ الَّذِينَ كَفَرُوا إِلَىٰ يَوْمِ الْقِيَامَةِ ثُمَّ إِلَيَّ مَرْجِعُكُمْ فَأَحْكُمُ بَيْنَكُمْ فِيمَا كُنتُمْ فِيهِ

 

تَخْتَلِفُونَ - فَأَمَّا الَّذِينَ كَفَرُوا فَأُعَذِّبُهُمْ عَذَاباً شَدِيداً فِي الدُّنْيَا وَالآخِرَةِ وَمَا لَهُمْ مِّن نَّاصِرِينَ ]

 (またわれは、あなたに追従する者を、審判の日まで、不信心の者たちの上位におくであろう。それからあなたがたは(皆)われの許に帰り、あなたがたが争っていたことに就いて、われは裁決を下すであろう。- その時われは,現世においても来世でも不信心な者たちに厳しい懲罰を与えよう。(誰一人)かれらを助ける者もない。」)

 これは、アッラーがイーサーを信じないユダヤ教徒と、イーサーについて極端に走ったキリスト教徒にされたことである。アッラーはこの世で彼らを苦しめられた。それで彼らは殺害され、捕らえられ、富や王国を失った。来世での彼らの責苦はさらに辛く、ずっと厳しい。

 

[وَمَا لَهُم مِّنَ اللَّهِ مِن وَاقٍ]

 (かれらはアッラー(の御怒り)に対し、ワーク(守護者)もないのである。) [13:34].

 

[وَأَمَّا الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ فَيُوَفِّيهِمْ أُجُورَهُمْ]

 (主は信仰して善行に勤しむ者を(十分に)報奨される。)  現世では勝利と優位を、来世では楽園と高い位をもって。

 

[وَاللَّهُ لاَ يُحِبُّ الظَّالِمِينَ]

 (だがアッラーは,不義を行う者を御好みにならない。)

 それからアッラーは仰せられた、

[ذَٰلِكَ نَتْلُوهُ عَلَيْكَ مِنَ الآيَاتِ وَالذِّكْرِ الْحَكِيمِ ]

 (「これはわれがあなたに読み聞かせる印であり,また英知に満ちた教訓である。」)  「ムハンマドよ、イーサーと彼の誕生と人生についてわれがあなたに語ったことは、アッ・ラウフ アル・マフフーズ(保存されている書板)からアッラーがあなたに伝え啓示したのである。よって、それには何の疑いもない。」 ということである。

 同様に、アッラーはマルヤム章で仰せられた。

[ذَٰلِكَ عِيسَى ابْنُ مَرْيَمَ قَوْلَ الْحَقِّ الَّذِي فِيهِ يَمْتَرُونَ - مَا كَانَ لِلَّهِ أَن يَتَّخِذَ مِن وَلَدٍ سُبْحَانَهُ إِذَا قَضَىٰ أَمْراً

 فَإِنَّمَا يَقُولُ لَهُ كُن فَيَكُونُ ]

 (そのこと(イーサーがマルヤムの子であること)に就いて,かれら(ユダヤ教徒,キリスト教徒)は疑っているが本当に真実そのものである。アッラーに子供が出来るなどということはありえない。かれに讃えあれ。かれが一事を決定され,唯「有れ。」と仰せになれば,即ち有るのである。)  [19:34-35]

 

[إِنَّ مَثَلَ عِيسَىٰ عِندَ اللَّهِ كَمَثَلِ آدَمَ خَلَقَهُ مِن تُرَابٍ ثُمَّ قَالَ لَهُ كُن فَيَكُونُ - الْحَقُّ مِن رَّبِّكَ فَلاَ تَكُنْ مِّنَ

الْمُمْتَرِينَ - فَمَنْ حَآجَّكَ فِيهِ مِن بَعْدِ مَا جَآءَكَ مِنَ الْعِلْمِ فَقُلْ تَعَالَوْا نَدْعُ أَبْنَآءَنَا وَأَبْنَآءَكُمْ وَنِسَآءَنَا وَنِسَآءَكُمْ

وَأَنفُسَنَا وأَنفُسَكُمْ ثُمَّ نَبْتَهِلْ فَنَجْعَل لَّعْنَتُ اللَّهِ عَلَى الْكَاذِبِينَ - إِنَّ هَـٰذَا لَهُوَ الْقَصَصُ الْحَقُّ وَمَا مِنْ إِلَـٰهٍ

إِلاَّ اللَّهُ وَإِنَّ اللَّهَ لَهُوَ الْعَزِيزُ الْحَكِيمُ - فَإِن تَوَلَّوْا فَإِنَّ اللَّهَ عَلِيمٌ بِالْمُفْسِدِينَ ]

 

 (59. イーサーはアッラーの御許では、丁度アーダムと同じである。かれが泥でかれ(アーダム)を創られ、それに「有れ。」と仰せになるとかれは(人間として)存在した。) (60. (真理はあなたの主から(来る)。だから懐疑の徒の仲間となってはならない。) (61. (イーサーに関する)真実の知識があなたに下された後、もしかれに就いてあなたと議論する者があれば、言ってやるがいい。「さあ、わたしたちの子孫とあなたがたの子孫、わたしたちの妻たちとあなたがたの妻たち、わたしたちとあなたがたを一緒に呼んで、アッラーの御怒りが嘘付き者の上に下るように祈ろう。」) (62. 誠にこれは、真実な物語である。アッラーの外に神はない。本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。) (63. だがかれらがもし、背き去るならば、アッラーは悪を行う者を熟知される。)

 

  アーダムの創造 と イーサーの創造の間の類似

 アッラーは仰せられた、

[إِنَّ مَثَلَ عِيسَىٰ عِندَ اللَّهِ]

 (イーサーの例はアッラーの御許では、)  アッラーのお力について。かれはイーサーを父親なくして創造されたので。 

[كَمَثَلِ آدَمَ]

 (丁度アーダムの例と同じである。)  アッラーはアーダムを父も母もなしに創造されたためである。実際、

[خَلَقَهُ مِن تُرَابٍ ثُمَّ قَالَ لَهُ كُن فَيَكُونُ]

 (かれが泥でかれ(アーダム)を創られ、それに「有れ。」と仰せになるとかれは(人間として)存在した。)  

 

 つまり、父も母もなくアーダムを創造されたお方には、父なしにイーサーを創造することも可能である。もし、「イーサーはアッラーの息子である、なぜなら彼は父親もなく創られたのであるから」 という主張がなされたら、同じこと、それどころかそれ以上のことがアーダムに当てはまる。しかしながら、アーダムに関するそのような主張は明らかに間違いであることから、イーサーに関しての同様の主張はもっと大きな誤りであることになる。

 さらに、これらのことを述べることで、アッラーはかれのお力を強調されている。かれはほかを男女から創造されたのに比べて、アーダムを男女なしに創造され、ハワを女性なしで男性から、イーサーを父なしで母から、創造された。 それで、アッラーはマルヤム章で仰せられた、

[وَلِنَجْعَلَهُ آيَةً لِّلنَّاسِ]

 (それでかれを人びとへの印となし、) [19: 21].

 この節では、アッラーはこう仰せられた、

[الْحَقُّ مِن رَّبِّكَ فَلاَ تَكُنْ مِّنَ الْمُمْتَرِينَ ]

 ( (これが) あなたの主からの真理 (である)。だから懐疑の徒の仲間となってはならない。)  これがイーサーについて唯一本当の話である。そして、真実を越えてあることには虚偽が含まれている、という意味である。

 アッラーは、イーサーについての真理を拒む人々をムバーハラに呼びかけるようにと、次に使徒 {saw} に命ぜられている

 

 ムバーハラへの挑戦

 

[فَمَنْ حَآجَّكَ فِيهِ مِن بَعْدِ مَا جَآءَكَ مِنَ الْعِلْمِ فَقُلْ تَعَالَوْا نَدْعُ أَبْنَآءَنَا وَأَبْنَآءَكُمْ وَنِسَآءَنَا وَنِسَآءَكُمْ وَأَنفُسَنَا وأَنفُسَكُمْ]

 ((イーサーに関する)真実の知識があなたに下された後、もしかれに就いてあなたと議論する者があれば、言ってやるがいい。「さあ、わたしたちの子孫とあなたがたの子孫、わたしたちの妻たちとあなたがたの妻たち、わたしたちとあなたがたを一緒に呼んで、アッラーの御怒りが嘘付き者の上に下るように祈ろう。」) 

 

 ムバーハラのために、

[ثُمَّ نَبْتَهِلْ]

 (それなら祈ろう。) 嘆願しよう。

[فَنَجْعَل لَّعْنَتَ اللَّهِ عَلَى الْكَاذِبِينَ]

 (アッラーの御怒りが嘘付き者の上に下るように)  私たちの二者のうちで。

 ムバーハラへの呼びかけと、本章の始めからここまでの節の啓示の理由は、(イエメンの)ナジランのキリスト教徒の代表団が、イーサーについて議論するためにアル・マディーナに来たことである。彼らはイーサーが神で、アッラーの息子であると主張した。イマーム ムハンマド ビン イスハーク ビン ヤサールと他の学者が述べるには、アッラーは本章の始めからここまでを、彼らの主張に論駁するために下された。

 ムハンマド ビン イスハーク ビン ヤサールは彼の有名なスィラでこう述べている、

 「ナジランのキリスト教徒の代表団がアッラーの使徒 {saw} のところへ来た。代表団は馬に乗った 60 人から形成されていた。その中には決定権のある 14 人の長が含まれ、アブドル-マスィーフと知られるアル・アーキブ、アル・アイハムとして知られるアッサイイド、バクル ビン ワリ (の家族) のアブ ハリサム ビン アルカマ、ウワイス ビン アル・ハーリスがいた。ほかにもまた、ザイド、カイス、ヤズィド、ナビフ、フワイリド、アムル、カーリド、アブドッラー、ユハンナスがいた。この中の三人の代表団の長は、アル・アーキブがリーダーで助言や裁決を求められる人物、アッサイイドが学者で旅や皆で集まるときのリーダー、アブ ハリサム ビン アルカマが長老、牧師、宗教的指導者であった。アブ ハリサム はアラブ人でバクル ビン ワリ (家の) 出身であったが、キリスト教を受け入れた時、ローマ人やローマの王らが彼らに栄誉を与え、彼のために(あるいは栄誉を讃えて)教会をいくつか建てた。彼らは経済的にも彼を支え、奴隷を与えた。彼らは彼の信仰がとても固いことを知っていたためである。」

 アブ ハリサム は、それ以前に啓示された書を読んでいたので、アッラーの使徒の特徴を知っていた。しかしながら、ほかの点で無知であったために、キリスト教徒でい続けることを譲らなかった。栄誉を与えられ、キリスト教徒の中で高い地位を得ていたためである。

 イブン イスハークは述べている、 

 「ムハンマド ビン ジャアファル ビン アッ・ズバイルはこう言った、『(ナジラン)の代表団がアル・マディーナのアッラーの使徒 {saw} のところへ来て、法服や覆いを着てマスジドへ入った。預言者がアスルの礼拝を終えた後だった。彼らは、アル・ハリス ビン カアブ出身の人が引き連れるラクダのキャラバンを伴っていた。彼らを見たアッラーの使徒 {saw} の教友たちは、その後も彼らのような代表団は見た事がないと言った。 それから、アブ ハリサム ビン アルカマ と アル・アーキブ アブドル-マスィーフ か アッサイイド アル・アイハム が アッラーの使徒に話しかけた。彼らは王(ローマの王)のようなキリスト教徒だった。しかし、彼らはイーサーについて意見を異にしていた。ある者は彼をアッラーであると言い、ある者はアッラーの息子であると言い、またある者は三位のうちの一つであると言った。アッラーは、彼らがかれの属性であると考えるものからは遠いお方であられる。』

 実際、これらはキリスト教の教義である。彼らは神であると主張する。その理由は、イーサーが死者を甦らせた、目の見えない人や癩患者や様々な病人を癒した、将来の事を語った、鳥の形を造って生命を吹き込んだ、ということなどである。しかし、このような奇跡は、イーサーがアッラーからの印であることを人々に知らせるために、アッラーの御赦しによってなされたのである。

 彼らはまたイーサーをアッラーの息子であると言う。父親がいなかった、揺りかごの中から話した、という、彼以前のアーダムの子には起こらなかった奇跡のためである。

 彼らはまた、イーサーは三位のうちの一つであると言う。それは、アッラーが 「われら は命じた、創造した、要求した」と仰せられているためで、彼らは、「もしアッラーが唯一なら、かれは『われ は命じた、創造した、要求した』 と言っていたでしょう。」と言う。それで彼らは 「イーサーとアッラーは一つである(三位一体)」 と言う。アッラーは、彼らがかれの属性であると考えるものからは遠いお方であられる。クルアーンはこのようなキリスト教徒のいう事に反駁したということを言っておかねばならない。

  イブン イスハークは続けた、

 「これらの節がアッラーから使徒 {saw} に下されたとき、彼と啓典の民の間の判定をされ、アッラーはまた、彼らがまだ真実を拒否するなら、彼らをムバーハラに招くようにと預言者に命ぜられた。 そこで預言者はムバーハラを彼らに呼びかけた。彼らは言った、『アブ アル・カースィムよ、この事に付いて考えさせてくれないか。私たちが望むことに結論が出たら戻ってこよう。』 彼らは預言者のもとを去り、助言を求めることにしているアル・アーキブに相談した。彼に彼らは言った、『アブドル-マスィーフよ、あなたの助言は何か』 彼は言った、『アッラーに誓って。キリスト教徒の仲間たちよ、あなた方はムハンマドが使徒であることを知っている。そして、彼はイーサーについてあなた方に最終通告をしたということを知っている。あなた方はまた、これまでどの預言者も誰にもムバーハラを行わず、むかしの人々は安全にいて若いものが育ってきたことを知っている。実際、もしあなたがそれを行えば、それはあなたの終わりになるだろう。もしあなたが自分の宗教やイーサーについての自分の教義に留まることをすでに決心したなら、あの人(ムハンマド)と協定を結び、あなた方の地へ帰りなさい。』  彼らは預言者のところへ来て言った、『アブ アル・カースィムよ、私たちはあなたとムバーハラはできないと決めました。あなたたちはあなたの宗教に留まり、私たちは私たちの宗教に留まることにします。しかし、財政上の議論について私たちの間を裁くために、あなたの満足する教友の一人を私たちと共に遣わしてください。なぜならば、この件についてはあなたは私たちにとって受け入れられますから。』」

 アル・ブハーリーはフダイファがこう述べたと記録している、

 「ナジランの二人の長、アル・アーキブ と アッサイイド は、(彼らのうち悪い者に対する)アッラーのお怒りを祈るためにアッラーの使徒のところへ来た。一方はもう一方に言った、『それをしないでおこう。アッラーに誓って。もし彼が本当に預言者で、私たちがアッラーにお怒りを祈ったら、私たちや私たちの子孫は今後決して繁栄しないだろう。』 それで彼らは言った、『私たちはあなたが求めたものを与えます。それで、私たちと共に信用のある人を遣わしてください。信用のある人だけを。』

 アッラーの使徒 {saw} は言った、

«لَأَبْعَثَنَّ مَعَكُمْ رَجُلًا أَمِينًا حَقَّ أَمِين»

فاستشرف لها أصحاب رسول اللهصلى الله عليه وسلّم، فقال:

«قُمْ يَا أَبَا عُبَيْدَةَ بْنَ الْجَرَّاح»

فلما قام، قال رسول اللهصلى الله عليه وسلّم:

«هَذَا أَمِينُ هذِهِ الْأُمَّة»

 ( まことに、私はあなた方といっしょに信用のある人を遣わします。本当に信頼できる人を。) アッラーの使徒 {saw} の教友たちはみな、その人になりたいと強く感じた。使徒 {saw} は言った、  ( アブ ウバイダ ビン アル・ジャッラーフよ、立ちなさい。) アブ ウバイダ が立ち上がると、アッラーの使徒 {saw} は言った、  ( こちらが、このウンマの受託者です。)

 

 アル・ブハーリーは、アナスの伝えることとしてアッラーの使徒 {saw} が別の機会で言ったことを記録している。

«لِكُلِّ أُمَّةٍ أَمِينٌ، وَأَمِينُ هذِهِ الْأُمَّةِ أَبُو عُبَيْدَةَ بْنُ الْجَرَّاح»

 (それぞれのウンマには受託者がいるが、このウンマの受託者はアブ ウバイダ ビン アル・ジャッラーフである。)

 

 イマーム アフマド はイブン アッバースがこう言ったと記録している、「アブ ジャール (彼にアッラーのお怒りあれ) は言った、『ムハンマドがカアバの隣で礼拝しているのを見たら、私は彼の首を踏みつけよう。』  後に預言者は言った、

«لَوْ فَعَلَ لَأَخَذَتْهُ الْمَلَائِكَةُ عِيَانًا، ولو أن اليهود تمنوا الموت لماتوا، ورأوا مقاعدهم من النار، ولو خرج الذين يباهلون رسول اللهصلى الله عليه وسلّم لرجعوا لا يجدون مالًا ولا أهلًا»

  (彼がそうしようとしていたならば、天使は公然と彼を連れて行ったことであったろう。ユダヤ教徒が死を望んでいたなら、彼らは滅びて、業火の中に彼らの席を見ていたであろう。アッラーの使徒とムバーハラを求めてそれを行った者がいたら、彼らは帰ったとき、財産も家族も見つけていなかっただろう。) 」  アル・ブハーリー、アッ・ティルミズィ、アン・ナサーイもこのハディースを記録しており、アッ・ティルミズィはハサン サヒーフとした。

 

 それからアッラーは仰せられた、

[إِنَّ هَـٰذَا لَهُوَ الْقَصَصُ الْحَقُّ]

 (誠にこれは、真実な物語である。)  ムハンマドよ、イーサーについてわれがあなたに語ったことは、 避けることのできない明らかな真実である、ということである。

[وَمَا مِنْ إِلَـٰهٍ إِلاَّ اللَّهُ وَإِنَّ اللَّهَ لَهُوَ الْعَزِيزُ الْحَكِيمُ فَإِن تَوَلَّوْا]

 (アッラーの外に神はない。本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。だがかれらがもし、背き去るならば、)  この真実を放棄することで、背き去るならば。

[فَإِنَّ اللَّهَ عَلِيمٌ بِالْمُفْسِدِينَ]

 (アッラーは悪を行う者を熟知される。)  虚偽のために真実を放棄する者、罪を犯す者を。 アッラーは彼らについてすっかりご存知で、彼らに最悪の罰を受けさせる。まことに、アッラーはすべてを管理される。アッラーにすべての称賛と感謝あれ。私たちは、かれの報復からのご加護をかれに求めます。

 

 

[قُلْ يَا أَهْلَ الْكِتَابِ تَعَالَوْا إِلَىٰ كَلِمَةٍ سَوَآءٍ بَيْنَنَا وَبَيْنَكُمْ أَلاَّ نَعْبُدَ إِلاَّ اللَّهَ وَلاَ نُشْرِكَ بِهِ شَيْئاً وَلاَ يَتَّخِذَ بَعْضُنَا بَعْضًا أَرْبَابًا مِّن دُونِ اللَّهِ فَإِن تَوَلَّوْا فَقُولُوا اشْهَدُوا بِأَنَّا مُسْلِمُونَ ]

 (64. 言ってやるがいい。「啓典の民よ、わたしたちとあなたがたとの間の共通のことば(の下)に来なさい。わたしたちはアッラーにだけ仕え、何ものをもかれに列しない。またわたしたちはアッラーを差し置いて、外のものを主として崇ない。」それでもし、かれらが背き去るならば、言ってやるがいい。「わたしたちはムスリムであることを証言する。」)

 

 誰もがタウヒードについて知っている

 この節では、ユダヤ教徒とキリスト教徒という啓典の民と、彼らのやり方に従う人々のことが示されている。

 

[قُلْ يَا أَهْلَ الْكِتَابِ تَعَالَوْا إِلَىٰ كَلِمَةٍ]

 (言ってやるがいい。「啓典の民よ、ことばに来なさい。)

 『ことば』 はアラビア語では、この節から明白であるように、完全な文をも意味する。

 アッラーはこの言葉を一つであるものとして表されている、

 

[سَوَآءٍ بَيْنَنَا وَبَيْنَكُمْ]

 (わたしたちとあなたがたとの間の等しい(ことば))  双方に公平である、本物の正しい言葉。

 そしてアッラーはこの言葉について説明された、

[أَلاَّ نَعْبُدَ إِلاَّ اللَّهَ وَلاَ نُشْرِكَ بِهِ شَيْئاً]

 (わたしたちはアッラーにだけ仕え、何ものをもかれに列しない。)  私たちは像も十字も作り物もターグート (偽神) も火も、その他の何も崇めない。そうではなく、私たちは同格を置かずにアッラーだけを崇める。これがアッラーの使徒の伝えたことである。

 アッラーは仰せられた、

[وَمَآ أَرْسَلْنَا مِن قَبْلِكَ مِن رَّسُولٍ إِلاَّ نُوحِي إِلَيْهِ أَنَّهُ لا إِلَـٰهَ إِلاَّ أَنَا فَاعْبُدُونِ ]

 (あなた以前にも,われが遣わした使徒には,等しく,「われの外に神はない,だからわれに仕えよ。」と啓示した。) [21:25]

 そして、

[وَلَقَدْ بَعَثْنَا فِي كُلِّ أُمَّةٍ رَّسُولاً أَنِ اعْبُدُوا اللَّهَ وَاجْتَنِبُوا الْطَّاغُوتَ]

 (本当にわれは、各々の民に一人の使徒を遣わして「アッラーに仕え、ターグート (邪神) を避けなさい。」と(命じた)。) [16:36]

 次にアッラーは仰せられた、

[وَلاَ يَتَّخِذَ بَعْضُنَا بَعْضًا أَرْبَابًا مِّن دُونِ اللَّهِ]

 (「またわたしたちはアッラーを差し置いて、外のものを主として崇ない。」)  イブン ジュライジ は、「私たちは、アッラーに対する不従順について互いに従わない」 と注釈した。

 

[فَإِن تَوَلَّوْا فَقُولُوا اشْهَدُوا بِأَنَّا مُسْلِمُونَ]

 (それでもし、かれらが背き去るならば、言ってやるがいい。「わたしたちはムスリムであることを証言してください。」)  彼らがこの公平な命令を放棄するならば、彼らに、アッラーが定められているためにあなたはイスラームにとどまるということを知らせなさい、ということである。

 預言者 {saw} がヘラクリウスに送った手紙に書かれていたことに触れておく、「もっとも慈悲深く慈愛あまねくアッラーの御名において。アッラーの使徒ムハンマドよりローマ人の指導者ヘラクリウスへ - 真理の導きに従う人々に平安あれ。イスラームをお受け入れください。そうなされば、あなたは安全を得ることができます。イスラームをお受け入れください。そうなされば、アッラーはあなたに倍の報酬をお授けになられます。しかし、あなたがそれに背を向けるならば、あなたは農民の重荷を運ぶことになります。 

[يَا أَهْلَ الْكِتَابِ تَعَالَوْا إِلَىٰ كَلِمَةٍ سَوَآءٍ بَيْنَنَا وَبَيْنَكُمْ أَلاَّ نَعْبُدَ إِلاَّ اللَّهَ وَلاَ نُشْرِكَ بِهِ شَيْئاً وَلاَ يَتَّخِذَ بَعْضُنَا بَعْضًا

أَرْبَابًا مِّن دُونِ اللَّهِ فَإِن تَوَلَّوْا فَقُولُوا اشْهَدُوا بِأَنَّا مُسْلِمُونَ]

 ( 啓典の民よ、わたしたちとあなたがたとの間の共通のことば(の下)に来なさい。わたしたちはアッラーにだけ仕え、何ものをもかれに列しない。またわたしたちはアッラーを差し置いて、外のものを主として崇ない。」それでもし、かれらが背き去るならば、言ってやるがいい。「わたしたちはムスリムであることを証言する。」)

 ムハンマド ビン イスハーク や他の学者たちは、イムラーン家章の始めとそこから80節以上はナジランの代表使節団について啓示されたと述べた。アッ・ズフリによると、ナジランの人々はジズヤ (ムスリム国家に支払われる税金) を支払った初めての人々となった。しかしながら、ジズヤを命じた節 [9:29] がファトフ (マッカ征服、従って、ナジランの代表使節団がアル・マディーナに来た後) の後に啓示されたということについて意見の相違はない。 そうなると、この節 [3:64] がいかにしてマッカの勝利の前に預言者のヘラクリウスへの手紙の文中に入り得るか。そして、ムハンマド ビン イスハーク と アッ・ズフリ の述べたことをどのように調和させることが出来るか。

 その答えはこうである、 (マッカの勝利前の) アル・フダイビーヤ以前にナジランの代表使節団が来、彼らが払ったのはムバーハラの代わりで、ジズヤではなかった。 ジズヤについての節は後に啓示され、その決まりは、ナジランの人々と起こったことを支えている。

 この意見の裏づけにおいて、私たちは別の例に触れる必要がある。略奪品を (預言者のために) 5分の1、(戦った者たちのために) 5分の4に分ける決定が、アブドッラ ビン ジャフシュがバドル以前に率いた急襲の時に行ったことと一致しているのである。節が後で、アブドッラーが略奪品を分けた方法を是認したのである。 

  従って、預言者がその節が啓示される前にヘラクリウスへの手紙にこの文言 ( 言え、「啓典の民よ、・・・・」) を記したというのはありえた事である。その後で、クルアーンが預言者の文言に一字一字一致した。

 ウマルがバドルで捕らえた不信者に関して言ったことに合意して、クルアーンが啓示された事実もある。また、ヒジャブ (ムスリム女性の服装規定)、偽善者のために祈りを捧げることを慎むこと、そして次のような御言葉もそうである

[ وَاتَّخِذُوا مِن مَّقَامِ إِبْرَاهِيمَ مُصَلًّى]

 (「イブラーヒームの(礼拝に)立った所を,あなたがたの礼拝の場としなさい。」) [2:125]

 また、

[ عَسَىٰ رَبُّهُ إِن طَلَّقَكُنَّ أَن يُبْدِلَهُ أَزْوَاجاً خَيْراً مِّنكُنَّ ]

 (かれが,もしあなたがたを離婚したならば,かれはあなたがたに優る妻たちを,代りにかれに授けられるであろう。) [66:5]

 

 

[يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ تُحَآجُّونَ فِي إِبْرَاهِيمَ وَمَآ أُنزِلَتِ التَّورَاةُ وَالإِنجِيلُ إِلاَّ مِن بَعْدِهِ أَفَلاَ تَعْقِلُونَ - ها أَنتُمْ هَـٰؤُلاءِ حَاجَجْتُمْ فِيمَا لَكُم بِهِ عِلمٌ فَلِمَ تُحَآجُّونَ فِيمَا لَيْسَ لَكُمْ بِهِ عِلْمٌ وَاللَّهُ يَعْلَمُ وَأَنتُمْ لاَ تَعْلَمُونَ - مَا كَانَ إِبْرَاهِيمُ يَهُودِيًّا وَلاَ نَصْرَانِيًّا وَلَـٰكِن كَانَ حَنِيفًا مُّسْلِمًا وَمَا كَانَ مِنَ الْمُشْرِكِينَ - إِنَّ أَوْلَى النَّاسِ بِإِبْرَاهِيمَ لَلَّذِينَ اتَّبَعُوهُ وَهَـٰذَا النَّبِىُّ وَالَّذِينَ آمَنُوا وَاللَّهُ وَلِيُّ الْمُؤْمِنِينَ ]

 (65. 啓典の民よ,何故あなたがたは,イブラーヒームのことで論争するのか。律法と福音とは,かれ以後に下されたのではないか。あなたがたは理解しないのか。) (66. 本当にあなたがたは,(いくらか)知識のあることに就いて(さえ)論争に陥るのに,どうしてあなたがたは,知識のないことに就いて論争するのか。アッラーは知っておられるが,あなたがたは(何も)知らない。) (67. イブラーヒームはユダヤ教徒でもキリスト教徒でもなかった。しかしかれは純正なムスリムであり,多神教徒の仲間ではなかったのである。) (68. 本当にイブラーヒームに最も近い人びとは,かれの追従者とこの預言者(ムハンマド),またこの教えを信奉する者たちである。アッラーこそは,信者たちを愛護される御方であられる。)

 

 イブラーヒームの宗教についてユダヤ教徒やキリスト教徒と論争すること 

 アッラーは、ユダヤ教徒とキリスト教徒を、イブラーヒーム アル・ハリールについてムスリムと論争し、それぞれがイブラーヒームは彼らの仲間であると主張したことで非難されている。

 ムハンマド ビン イスハーク ビン ヤサール は イブン アッバース が言ったことを報告している、「ナジランのキリスト教徒とユダヤ教のラビたちはアッラーの使徒 {saw} の前に集まり、使徒 {saw} の前で論争した。ラビは、『イブラーヒームは確かにユダヤ教徒であった』 と言った。キリスト教徒は、『確かに、イブラーヒームはキリスト教徒であった』 と言った。 それでアッラーが次の御言葉を下されたのである、

 

[يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ تُحَآجُّونَ فِي إِبْرَاهِيمَ]

 ( 啓典の民よ,何故あなたがたは,イブラーヒームのことで論争するのか)   『イブラーヒームは、アッラーがムーサーにタウラー ( 律法 ) を下される前に生きていたのに、どうしてあなた方ユダヤ教徒はイブラーヒームがユダヤ教徒であったと言うのか。キリスト教はイブラーヒームの時代の後に発生したのに、どうしてあなた方キリスト教徒はイブラーヒームがキリスト教徒であったと言うのか。』 という意味である。」

 そのため、アッラーはこう仰せられた、

[أَفَلاَ تَعْقِلُونَ]

 ( あなたがたは理解しないのか。)

 

 それからアッラーは仰せられた、

[ها أَنتُمْ هَـٰؤُلاءِ حَاجَجْتُمْ فِيمَا لَكُم بِهِ عِلمٌ فَلِمَ تُحَآجُّونَ فِيمَا لَيْسَ لَكُمْ بِهِ عِلْمٌ]

 ( 本当にあなたがたは,知識のあることに就いて論争に陥るのに,どうしてあなたがたは,知識のないことに就いて論争するのか。) 

 この節は、ユダヤ教徒とキリスト教徒がイブラーヒームについてしたように、知識もなく論争する人々を非難している。彼らが、知識のある自分たちの宗教についてや、ムハンマドが遣わされるまで彼らに命ぜられていた法について論じていたなら、彼らにとってよりよいことであった。しかしそうでなく、彼らは知識のないことについて言い争っていたために、アッラーはその振る舞いについて彼らを非難された。アッラーは、知識のないことについては、見えることも見えないこともご存知であられるお方、万物の真の現実をご存知のお方に委ねるよう彼らに命ぜられている。

 そのためにアッラーはこう仰せられた

[وَاللَّهُ يَعْلَمُ وَأَنتُمْ لاَ تَعْلَمُونَ]

 ( アッラーは知っておられるが,あなたがたは知らない。)

 アッラーは仰せられた、

[مَا كَانَ إِبْرَاهِيمُ يَهُودِيًّا وَلاَ نَصْرَانِيًّا وَلَـٰكِن كَانَ حَنِيفًا مُّسْلِمًا]

 ( イブラーヒームはユダヤ教徒でもキリスト教徒でもなかった。しかしかれはハニーファ ムスリムであった。)

[وَمَا كَانَ مِنَ الْمُشْرِكِينَ]

 ( そしてムシュリクーンではなかった )  シルクを避け、イマームのうちに生きていた。 この節は、雌牛章にある節と似ている、

 

[وَقَالُوا كُونُوا هُودًا أَوْ نَصَارَىٰ تَهْتَدُوا قُلْ بَلْ مِلَّةَ إِبْرَاهِيمَ حَنِيفًا وَمَا كَانَ مِنَ الْمُشْرِكِينَ]

 (かれらは言う。「あなたがたは正しく導かれたいならば,ユダヤ教徒かキリスト教徒になりなさい。」言ってやるがいい。「いや,わたしたちはイブラーヒ―ムの純正の教えを信奉する。かれは,多神教徒の仲間ではなかった。」) [2:135].

 

 次にアッラーは仰せられた

[إِنَّ أَوْلَى النَّاسِ بِإِبْرَاهِيمَ لَلَّذِينَ اتَّبَعُوهُ وَهَـٰذَا النَّبِىُّ وَالَّذِينَ آمَنُوا وَاللَّهُ وَلِيُّ الْمُؤْمِنِينَ ]

 ( 本当にイブラーヒームに最も近い人びとは,かれの追従者とこの預言者,またこの教えを信奉する者たちである。アッラーこそは,信者たちのワリーであられる。)  この節の意味はこうである、「イブラーヒームの追従者として主張するのに一番権利のある人々は、彼の宗教に続いた人々、そしてこの預言者つまりムハンマド {saw} 、そしてムハージルーンやアンサールの教友ら、そして彼らの手本に続いた人々である。」 

 サイード ビン マンスールはイブン マスウードの伝えたこととしてアッラーの使徒 {saw} が次のように言ったことを記録している、

 

«إِنَّ لِكُلِّ نَبِيَ وُلَاةً مِنَ النَّبِيِّينَ، وَإِنَّ وَلِيِّي مِنْهُمْ أَبِي وَخَلِيلُ رَبِّي عَزَّ وَجَل»

 (預言者にはみな、預言者の中からワリー (支援者) がいた。私のワリーは私の父であり、偉大で高貴なる私の主のハリール (親しい友) である。)

 それから預言者 {saw} は読んだ、

[إِنَّ أَوْلَى النَّاسِ بِإِبْرَاهِيمَ لَلَّذِينَ اتَّبَعُوهُ]

 ( 本当にイブラーヒームに最も近い人びとは,かれの追従者とこの預言者,またこの教えを信奉する者たちである。)  と。

 アッラーの御言葉

[وَاللَّهُ وَلِيُّ الْمُؤْمِنِينَ]

 ( アッラーこそは,信者たちのワリーであられる。)  アッラーはかれの使徒たちを信じる人々の保護者であられるということである。

 

 

[وَدَّت طَّآئِفَةٌ مِّنْ أَهْلِ الْكِتَابِ لَوْ يُضِلُّونَكُمْ وَمَا يُضِلُّونَ إِلاَ أَنفُسَهُمْ وَمَا يَشْعُرُونَ - يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ

تَكْفُرُونَ بِآيَاتِ اللَّهِ وَأَنتُمْ تَشْهَدُونَ - يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ تَلْبِسُونَ الْحَقَّ بِالْبَاطِلِ وَتَكْتُمُونَ الْحَقَّ وَأَنتُمْ

تَعْلَمُونَ - وَقَالَت طَّآئِفَةٌ مِّنْ أَهْلِ الْكِتَابِ آمِنُوا بِالَّذِي أُنزِلَ عَلَى الَّذِينَ آمَنُوا وَجْهَ النَّهَارِ وَاكْفُرُوا آخِرَهُ

لَعَلَّهُمْ يَرْجِعُونَ - وَلاَ تُؤْمِنُوا إِلاَّ لِمَن تَبِعَ دِينَكُمْ قُلْ إِنَّ الْهُدَىٰ هُدَى اللَّهِ أَن يُؤْتَىٰ أَحَدٌ مِّثْلَ مَآ أُوتِيتُمْ أَوْ

يُحَآجُّوكُمْ عِندَ رَبِّكُمْ قُلْ إِنَّ الْفَضْلَ بِيَدِ اللَّهِ يُؤْتِيهِ مَن يَشَآءُ وَاللَّهُ وَاسِعٌ عَلِيمٌ - يَخْتَصُّ بِرَحْمَتِهِ مَن يَشَآءُ وَاللَّهُ

ذُو الْفَضْلِ الْعَظِيمِ ]

 (69. 啓典の民の一派は,あなたがたを迷わせようと望んでいる。だがかれらは自分自身を迷わすだけで,自らはそれに気付かない。) (70. 啓典の民よ,何故アッラーの印を拒否するのか,あなたがたは(自ら)その証人ではないか。) (71. 啓典の民よ,あなたがたは何故虚偽で真理を覆い,(悪いことと)知りながら真理を隠すのか。) (72. 啓典の民の一派は言う。「一日の始めには信者ムスリムたちに下されたものを信じて,(その日の)終りには拒否するがいい。恐らくかれら(ムスリムになった者)は,(イスラームを捨てて,わたしたちの方に)戻って来るであろう。) (73. ただし(本心では)あなたがたの教えに従う者の外は,信じてはならない。」言ってやるがいい。「本当の導きは,アッラーの御導きである。あなたがたに与えられたものと同じものを外の者が与えられ,かれらがあなたがたと主の御前で論争する(ことを恐れる)のか。」言ってやるがいい。「凡ての賜物は,アッラーの御手にあり。かれは御心に適う者にそれを授ける。アッラーは厚施にして全知であられる。) (74. かれは御心に適う者を,引き立て慈悲を御与えになる。アッラーは,偉大な施恩の主であられる。」)

 

 ユダヤ教徒がムスリムに対して抱く妬み、ムスリムに対する邪悪な企み

 

 アッラーは、ユダヤ教徒が忠実な者を妬み、彼らを誤った道に導くことを望んでいると述べられる。彼らが知らない間にこの罰が彼らに降りかかると仰せられている、 

[يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ تَكْفُرُونَ بِآيَاتِ اللَّهِ وَأَنتُمْ تَشْهَدُونَ ]

 (  啓典の民よ,何故アッラーの印を拒否するのか,あなたがたは(自ら)その証人ではないか。)   アッラーの印が正真正銘であることをあなた方は確かに知っている。

[يَا أَهْلَ الْكِتَابِ لِمَ تَلْبِسُونَ الْحَقَّ بِالْبَاطِلِ وَتَكْتُمُونَ الْحَقَّ وَأَنتُمْ تَعْلَمُونَ ]

 ( 啓典の民よ,あなたがたは何故虚偽で真理を覆い,知りながら真理を隠すのか。)   あなたの書にあるムハンマドについての叙述を隠している。あなた方は自分たちのしていることを分かっている。

 

[وَقَالَت طَّآئِفَةٌ مِّنْ أَهْلِ الْكِتَابِ آمِنُوا بِالَّذِي أُنزِلَ عَلَى الَّذِينَ آمَنُوا وَجْهَ النَّهَارِ وَاكْفُرُوا آخِرَهُ]

 ( 啓典の民の一派は言う。「一日の始めには信者たちに下されたものを信じて,(その日の)終りには拒否するがいい。)

 これは、啓典の民が宗教について弱いムスリムを騙す邪悪な企みである。彼らは一日の始まりには、ムスリムと一緒に暁の礼拝に出て、信者であるふりをすることにした。しかし一日が終わると、自分たちの古い宗教に戻ったので、無知な人々は、「彼らはイスラームの宗教に若干足りないところを発見したために自分たちの古い宗教に戻ったのだ」 と言った。

 それで、次に彼らはこう言う、

[لَعَلَّهُمْ يَرْجِعُونَ]

 ( 恐らくかれらは,戻って来るであろう。)  イブン アビ ナジフは、ムジャーヒドがこの節について注釈したと述べている。ユダヤ教徒に関し、「彼らは暁の礼拝に預言者とともに出て、一日の終わりには、人々を誤らせるために不信者になった。これにより、人々は、彼らが簡単に従った宗教に欠点を発見したのだと考えた。」

 

[وَلاَ تُؤْمِنُوا إِلاَّ لِمَن تَبِعَ دِينَكُمْ]

 ( 「そしてあなたがたの教えに従う者の外は,信じてはならない。」)  彼らは、誰にもあなたの秘密の知識を任せるな、あなたの宗教に続く人々以外は、と言った。彼らは、あなたの知識をムスリムに晒すな、彼らが信じるのを妨害するために、彼らにそれをあなたに対する証拠として使わせないように、と言ったのである。

 アッラーは答えられた、

[قُلْ إِنَّ الْهُدَىٰ هُدَى اللَّهِ]

 ( 言ってやるがいい。「本当の導きは,アッラーの御導きである。」)  アッラーは、しもべで使徒のムハンマドに下された明白な節、はっきりした証拠、曖昧なところのない形跡を通して、誠実な者の心を完全な信仰に導かれる。 ユダヤ教徒の人々よ、これは、以前の預言者たちからあなたたちが受け取った書に記されている読み書きのできない預言者ムハンマドについての説明を、たとえあなた方が隠したとしても、起こるのである。

 アッラーの御言葉

[أَن يُؤْتَىٰ أَحَدٌ مِّثْلَ مَآ أُوتِيتُمْ أَوْ يُحَآجُّوكُمْ عِندَ رَبِّكُمْ]

 ( 「あなたがたに与えられたものと同じものを外の者が与えられ,かれらがあなたがたと主の御前で論争するのか。あなたが与えられたものと同じようなものを誰でも受けることができると思うか。さもなければあなたはあなたの主の御前で議論を持ちかけられると思うか。) ((And they say: ) "Do not believe that anyone can receive like that which you have received, otherwise they would engage you in argument before your Lord.'')

彼らは言う、「あなたの持っている知識をムスリムに暴いてはいけない。彼らにそれを知らせないために。彼らをあなたの同等者にしないために。それどころか彼らはより優れた者になるだろう。なぜなら彼らはそれを信じて、あるいはそれをあなた方の主と一緒にあなた方に対する証拠として用いるだろうから。そして、そのようにしてあなた方に対してアッラーの証拠が現世と来世で確立される。」

 

 アッラーは仰せられた、

[قُلْ إِنَّ الْفَضْلَ بِيَدِ اللَّهِ يُؤْتِيهِ مَن يَشَآءُ]

 ( 言ってやるがいい。「凡ての賜物は,アッラーの御手にあり。かれは御心に適う者にそれを授ける。)  すべての事柄はかれによって統制されていて、かれは与えられ、取られる。まことにアッラーは信仰と知識と正しい理解をお望みの者にお授けになる。かれはまた、お望みの者を、視覚と精神を遮り、心と聴覚を封じ、目を固く閉じて、誤らせる。 アッラーは完全な英知と明確な証明をお持ちであられる。

  

[وَاللَّهُ وَاسِعٌ عَلِيمٌ - يَخْتَصُّ بِرَحْمَتِهِ مَن يَشَآءُ وَاللَّهُ ذُو الْفَضْلِ الْعَظِيمِ ]

 ( アッラーかれが創造されたものに寛大に与えられるお方、すべてご存知のお方であられる。」 - かれは御心に適う者を,引き立て慈悲を御与えになる。アッラーは,偉大な施恩の主であられる。」)  「信者たちよ、かれはあなた方の預言者ムハンマドを他の全預言者の上に引き立てられ、あなた方をもっとも良いシャリーアに向かわせられた、つまりかれはあなた方に相当な美徳を賦与されたのである」、という意味である。

 

 

[وَمِنْ أَهْلِ الْكِتَابِ مَنْ إِن تَأْمَنْهُ بِقِنْطَارٍ يُؤَدِّهِ إِلَيْكَ وَمِنْهُمْ مَّنْ إِن تَأْمَنْهُ بِدِينَارٍ لاَّ يُؤَدِّهِ إِلَيْكَ إِلاَّ مَا دُمْتَ عَلَيْهِ

 قَآئِمًا ذَلِكَ بِأَنَّهُمْ قَالُواْ لَيْسَ عَلَيْنَا فِي الأُمِّيِّينَ سَبِيلٌ وَيَقُولُونَ عَلَى اللَّهِ الْكَذِبَ وَهُمْ يَعْلَمُونَ - بَلَى مَنْ أَوْفَى

بِعَهْدِهِ وَاتَّقَى فَإِنَّ اللَّهَ يُحِبُّ الْمُتَّقِينَ ]

 (75. 啓典の民の中には,あなたが千金を託してもこれを返す者もあれば,あなたが不断に催促しない限り,一枚の銀貨を託しても返さない者もある。それはかれらが「無知の者たちに就いては,わたしたちに責めはない。」と言うためである。かれらは故意に,アッラーに虚偽を語るものである。) (76. いや本当にアッラーは,自分の約束を全うし,自分の義務を果たす者を愛でられる。)

 

 ユダヤ教徒はどれほど信用に値するのか

 アッラーは、ユダヤ教徒の中には欺瞞に満ちた人々がいると述べている。また、彼らに騙されないようにと、誠実な者に警告されている。なぜなら、彼らの中には、

 

[مَنْ إِن تَأْمَنْهُ بِقِنْطَارٍ]

 ( あなたが 1キンタールを託しても ) 金のことである。 

[يُؤَدِّهِ إِلَيْكَ]

 ( これを返す者もあれば )  明らかであるが、この節でいう種類の人は1キンタールより少ないものでも同様に返すことを示している。

  أي: وما دونه بطريق الأولى أن يؤديه إليك

 

 しかしながら、

[وَمِنْهُمْ مَّنْ إِن تَأْمَنْهُ بِدِينَارٍ لاَّ يُؤَدِّهِ إِلَيْكَ إِلاَّ مَا دُمْتَ عَلَيْهِ قَآئِمًا]

 ( あなたが不断に催促しない限り,一枚の銀貨を託しても返さない者もある。)  あなたが自分の然るべき資産を得ると言ってゆずらない限りは。これが1ディナールでそうなるのであるならば、1ディナールよりもっと多い場合はどうなるか。ディナールの価値はよく知られているが、キンタールの意味については本章の始めで説明した。 

 アッラーの御言葉、

[ذَلِكَ بِأَنَّهُمْ قَالُواْ لَيْسَ عَلَيْنَا فِي الأُمِّيِّينَ سَبِيلٌ]

 (それはかれらが「無知の者たちに就いては,わたしたちに責めはない。」と言うためである。)  は、彼らが真実(または彼らが支払う義務があったもの)を拒絶する理由が示されている言葉である。つまり、「私たちが無学なもの(アラブ人)の財産を食べ尽くしてしまったとしても、アッラーは私たちにそれを許されたのだから、私たちの宗教に害はない。」 という意味である

 これは彼らが作り上げた虚偽で間違った言葉であるので、アッラーはこのように返答された、

 

[وَيَقُولُونَ عَلَى اللَّهِ الْكَذِبَ وَهُمْ يَعْلَمُونَ]

 ( かれらは故意に,アッラーに虚偽を語るものである。)   アッラーは、彼らに権利のある物でない限り、その金を彼らに許すことなどない。

 アブドッラッザーク は、サウサア ビン ヤズィード が述べたことを記録している。ある人がイブン アッバースにたずねた、「戦いの間、私たちは、たとえば鶏や羊のような、アフル アッ・ズィマの財産を獲る。」 イブン アッバースは言った、「この場合どうするか。」 その男性は言った、「 (もし私たちがそれを押収しても) この場合は罪はないと私たちは言っている。」  彼は言った、「それは啓典の民が言ったことである、

 

[لَيْسَ عَلَيْنَا فِي الأُمِّيِّينَ سَبِيلٌ]

 (「無知の者たちに就いては,わたしたちに責めはない。」と言うためである。)  

 まことに、彼らがジズヤを払ったら、あなたは彼らの財産を許されない。彼らの方が自ら差し出すのでなければ。」

 

 それからアッラーは仰せられた、

[بَلَى مَنْ أَوْفَى بِعَهْدِهِ وَاتَّقَى]

 ( いや、自分の約束を全うし、アッラーを畏れる者 )  啓典の民よ、あなた方の中で自分の約束を全うし、アッラーを畏れる者。アッラーが全預言者と、預言者が遣わされたところの人々と同じ契約を結んできたように、ムハンマドが遣わされたら彼を信じるようにという約束を、かれはあなた方と結んだ。 アッラーが禁止されたものを避け、かれに従い、かれが全人類の指導者である最後の預言者と共に齎したシャリーアを固く守る者。

 

[فَإِنَّ اللَّهَ يُحِبُّ الْمُتَّقِينَ]

 ( 本当にアッラーは,アル・ムッタキーンを愛でられる。)

 

[إِنَّ الَّذِينَ يَشْتَرُونَ بِعَهْدِ اللَّهِ وَأَيْمَـنِهِمْ ثَمَنًا قَلِيًلا أُوْلَـئِكَ لاَ خَلَـقَ لَهُمْ فِي الآخِرَةِ وَلاَ يُكَلِّمُهُمُ اللَّهُ وَلاَ يَنظُرُ إِلَيْهِمْ يَوْمَ الْقِيَامَةِ وَلاَ يُزَكِّيهِمْ وَلَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ ]

 (77. アッラーの約束と,自分の誓いとを売って僅かな利益を購う者は,来世において得分はないであろう。復活の日には,アッラーはかれらに御言葉も与えず,また顧みられず,清められることもない。かれらは痛ましい懲罰を受けるであろう。)

 

 アッラーとの契約を破る者には来世の得分はない

 アッラーは、アッラーに約束したことを果たそうとしない者に、

 

[أُوْلَـئِكَ لاَ خَلَـقَ لَهُمْ فِي الآخِرَةِ]

 (彼らには来世において得分はないであろう。) と仰せられている。彼らは、ムハンマド {saw} に従うことよりも、この短い現世の小さなものの方を好み、(彼らの書にある) ムハンマド {saw} についての説明を人々に知らせて彼の真実性を言明することはしない。 彼らには来世の報奨の何の分け前もない。

 

[وَلاَ يُكَلِّمُهُمُ اللَّهُ وَلاَ يَنظُرُ إِلَيْهِمْ يَوْمَ الْقِيَامَةِ]

 (復活の日には,アッラーはかれらに御言葉も与えず,また顧みられず,)  ご慈悲をかけていただけない。この節には、アッラーは優しい言葉をかけてくださることも幾分かのご慈悲を持ってお目を向けてくださることもないことが示されている。

 

[وَلاَ يُزَكِّيهِمْ]

 罪や穢れから (清められることもない。)  それどころか、かれは彼らに業火を命ぜられる。

[وَلَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ]

 (かれらは痛ましい懲罰を受けるであろう。)  

 この節に関していくつかハディースがあるので、以下にいくつか挙げる。

 第一のハディース、 

イマーム アフマド がアブ ダッルが言ったことを記録したものである。「アッラーの使徒 {saw} は言われた、

 

«ثَلَاثَةٌ لَا يُكَلِّمُهُمُ اللهُ، وَلَا يَنْظُرُ إِلَيْهِمْ يَوْمَ الْقِيَامَةِ، وَلَا يُزَكِّيهِمْ، وَلَهُمْ عَذَابٌ أَلِيم»

 (復活の日、アッラーからお声をかけていただけず、目を向けていただけず、清めていただけない者が三人いるが、彼らは痛ましい責苦を味わうことになる。)  私は言った、『アッラーの使徒よ、それはどんな人ですか。失敗し損失を被るのは。』  彼は三度繰り返して言った、

 

قلت: يا رسول الله، من هم؟ خابوا وخسروا قال: وأعاده رسول الله صلى الله عليه وسلّم ثلاث مرات، قال:

«الْمُسْبِلُ، وَالْمُنَفِّقُ سِلْعَتَهُ بِالْحَلِفِ الْكَاذِبِ، وَالْمَنَّان»

 ( アル・ムスビル (衣服がくるぶしの下まで届いている人)、 偽りの誓いをして物を売る人、慈善を施しながら恩着せがましく言う人) と。」  これはムスリムやスナン収集者たちによっても記録されている。

 別のハディースでは、

イマーム アフマド がアディ ビン アミーラ アル・キンディが言ったことを記録している。 「キンダ出身のイムル アル・カイス ビン アビスがアッラーの使徒 {saw} の前でハドラムート出身のある人と土地の一部について口論していた。預言者 {saw} はハドラムート出身の人に証拠を提示するよう要求したが、彼には何もなかった。預言者 {saw} はイムル アル・カイス に彼の言う事が真実であることを誓うよう要求したが、ハドラムート出身の人は言った、『アッラーの使徒よ、彼に誓うことを要求すれば、アル・カアバの主 (アッラー) に誓って、私は土地を失ってしまいます。』  アッラーの使徒 {saw} は言われた

 

«مَنْ حَلَفَ عَلى يَمِينٍ كَاذِبَةٍ لِيَقْتَطِعَ بِهَا مَالَ أَحَدٍ، لَقِيَ اللهَ عَزَّ وَجَلَّ وَهُوَ عَلَيْهِ غَضْبَان»

 ( 他人の財産を得るために偽りの誓いをする者は、アッラーに会うときかれはお怒りであろう ) と。」

 このハディースの語り手の一人であるラジャアは、その後アッラーの使徒は次のように読んだと述べている

 

[إِنَّ الَّذِينَ يَشْتَرُونَ بِعَهْدِ اللَّهِ وَأَيْمَـنِهِمْ ثَمَنًا قَلِيًلا]

 ( アッラーの約束と,自分の誓いとを売って僅かな利益を購う者は,・・・ )

  「イムル アル・カイス は言った、『この論争を失うとして、彼は何を得るでしょうか、アッラーの使徒よ。』 預言者 {saw} は答えた、『楽園。』 イムル アル・カイスは言った、『私が彼のためにすべての土地を失うことの証人となってください。』 と。」 アン・ナサーイもこのハディースを記録している。

 別のハディースでは、

イマーム アフマド はアブドッラーが伝えたことを記録している。アッラーの使徒 {saw} はこう言った、

 

«مَنْ حَلَفَ عَلى يَمِينٍ هُوَ فِيهَا فَاجِرٌ، لِيَقْتَطِعَ بِهَا مَالَ امْرِى مُسْلِمٍ، لَقِيَ اللهَ عَزَّ وَجَلَّ وَهُوَ عَلَيْهِ غَضْبَان»

 (ムスリムから財産を奪うために偽りの誓いを立てる者はアッラーに会う時、アッラーは彼にお怒りであろう。)

 アル・アシュアス は言った、「アッラーに誓って、この節は私に関して啓示された。私はあるユダヤ教徒と土地を共有していたが、そのユダヤ教徒が私の権利を否定した。そこで私はアッラーの使徒のところへ行って彼の事を訴えた。預言者は私に聞いた、『証拠はあるか。』  私は言った、『証拠はありません。』 彼はユダヤ教徒に言った、『では、誓いなさい。』  私は言った、『アッラーの使徒よ、彼はすぐに (偽りの) 誓いを立てるでしょう。そうすれば私は自分の財産を失ってしまいます。』 アッラーはその節、

 

[إِنَّ الَّذِينَ يَشْتَرُونَ بِعَهْدِ اللَّهِ وَأَيْمَـنِهِمْ ثَمَنًا قَلِيًلا]

 ( アッラーの約束と,自分の誓いとを売って僅かな利益を購う者は,・・・ ) を啓示された」

 二つのサヒーフがこのハディースを記録している。

 別のハディースでは、

イマーム アフマド がアブ フライラの伝えたことを記録している。アッラーの使徒 {saw} はこう言った

 

«ثَلَاثَةٌ لَا يُكَلِّمُهُمُ اللهُ يَوْمَ الْقِيَامَةِ، وَلَا يَنْظُرُ إِلَيْهِمْ، وَلَا يُزَكِّيهِمْ، وَلَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ: رَجُلٌ مَنَعَ ابْنَ السَّبِيلِ فَضْلَ مَاءٍ عِنْدَهُ، وَرَجُلٌ حَلَفَ عَلى سِلْعَةٍ بَعْدَ الْعَصْرِ يَعْنِي كَاذِبًا وَرَجُلٌ بَايَعَ إِمَامًا، فَإِنْ أَعْطَاهُ وَفَى لَهُ، وَإِنْ لَمْ يُعْطِهِ لَمْ يَفِ لَه»

 ( 三人には、復活の日アッラーはお声をかけてくださらないし、見てもくださらない、清めてもくださらず、彼らは辛い責苦を味わうだろう。持っている水のいくらかを旅人に与えない者、アスルの礼拝後に販売取引を成立させるために嘘を言って誓う者、イマーム (ムスリムの統治者) に忠誠を誓って、イマームが彼に (何かを) 与えれば約束を守るが、イマームが与えなければ約束を守らない者 )

 アブ ダーウード と アッ・ティルミズィ もこのハディースを記録しており、アッ・ティルミズィ はハサン サヒーフとしている。

 

[وَإِنَّ مِنْهُمْ لَفَرِيقًا يَلْوُونَ أَلْسِنَتَهُم بِالْكِتَابِ لِتَحْسَبُوهُ مِنَ الْكِتَابِ وَمَا هُوَ مِنَ الْكِتَابِ وَيَقُولُونَ هُوَ مِنْ عِندِ اللَّهِ وَمَا هُوَ مِنْ عِندِ اللَّهِ وَيَقُولُونَ عَلَى اللَّهِ الْكَذِبَ وَهُمْ يَعْلَمُونَ ]

 

 (78. かれらの中には,自分の舌で啓典をゆがめ,啓典にないことを啓典の一部であるかのように,あなたがたに思わせようとする一派がある。またかれらは,アッラーの御許からではないものを,「それはアッラーから来たものだ。」と言う。かれらは故意にアッラーに就いて虚偽を語る者である。)

 

 ユダヤ教徒はアッラーの御言葉を変える

 アッラーは、一部のユダヤ教徒 (彼らの上にアッラーのお怒りあれ) がアッラーの御言葉を自分たちの舌で歪め、適切なところから変更して彼らが意図する意味に変えると述べられている。無知の人々をだますためにこうするのであるが、自分たちの言葉をアッラーの書から来ているように見せかける。自分たちが嘘をついていること、虚偽を捏造していることを知りながらも、自分たちの嘘をアッラーのものであるとする。

 それゆえアッラーは仰せられた、

 

[وَيَقُولُونَ عَلَى اللَّهِ الْكَذِبَ وَهُمْ يَعْلَمُونَ]

 ( かれらは故意にアッラーに就いて虚偽を語る者である。)

 ムジャーヒド、アッ・シャービ、アル・ハサン、カターダ、アッ・ラビーゥ、ビン アナスは、

 

[يَلْوُونَ أَلْسِنَتَهُم بِالْكِتَابِ]

 ( 自分の舌で啓典をゆがめ,)  は、「彼らはそれら (アッラーの御言葉) を変える」 という意味であると言った。

 アル・ブハーリーの記録によるとイブン アッバースは述べた。この節は、アッラーの被造物のうち、アッラーの書の御言葉を取り除くことができる者は誰もいないのに、彼らは書き換え、加筆したということを意味している。彼らは明らかな意味を変え、歪めた。

 ワハーブ ビン ムナッビフは述べている、「タウラー (律法) とインジール (福音) は、アッラーが啓示されたままで、その中の一文字も取り除かれていなかった。しかしながら、ユダヤ教徒とキリスト教徒の人々は加筆したり偽りの説明を自分たちで書いたりして、その本に拠って他の人々を迷わせた。 そして、

 

[وَيَقُولُونَ هُوَ مِنْ عِندِ اللَّهِ وَمَا هُوَ مِنْ عِندِ اللَّهِ]

 ( またかれらは,アッラーの御許からではないものを,「それはアッラーから来たものだ。」と言う。 )  アッラーの書に関しては、まだそのまま保存されており、変えられることはない。」  イブン アビ ハーティムがこの文言を記録している。しかしながら、ワハーブが、現在啓典の民の手にある本を意味したのであれば、私たちは、彼らがそれらの書から書き換え、歪め、加筆し削除したことに疑いはないと言わなくてはならない。例えばこれらの書のアラビア語版には途方もない間違いや多くの加筆、削除箇所、相当な誤解がある。これらの翻訳をした人々は、その翻訳のほとんどで、いやむしろ、全部に誤った理解をしている。ワハーブがアッラーの書というのをかれが御許にお持ちであられる書の意味で言っているのであれば、確かにその書は保たれ、決して変えられなかった。

 

[مَا كَانَ لِبَشَرٍ أَن يُؤْتِيهُ اللَّهُ الْكِتَـبَ وَالْحُكْمَ وَالنُّبُوَّةَ ثُمَّ يَقُولَ لِلنَّاسِ كُونُواْ عِبَادًا لِّى مِن دُونِ اللَّهِ وَلَـكِن كُونُواْ رَبَّـنِيِّينَ بِمَا كُنتُمْ تُعَلِّمُونَ الْكِتَـبَ وَبِمَا كُنتُمْ تَدْرُسُونَ - وَلاَ يَأْمُرَكُمْ أَن تَتَّخِذُواْ الْمَلَـئِكَةَ وَالنَّبِيِّيْنَ أَرْبَابًا أَيَأْمُرُكُم بِالْكُفْرِ بَعْدَ إِذْ أَنتُم مُّسْلِمُونَ ]

 (79. 啓典と英知と預言者としての天分をアッラーからいただいた一人の人間でありながら,後になって人びとに向い,「あなたがたはアッラーの外に,わたしを崇拝しなさい。」とは言えない。むしろ「あなたがたは,主の忠実なしもベとなりなさい。あなたがたは啓典を教えられているのである。それを誠実に学びなさい。」と(言うべきである)。) (80. かれは天使や預言者たちを主としなさい,と命じることも出来ない。あなたがたがムスリムになった後,かれがどうして,不信心をあなたがたに命じることが出来ようか。)

 

 預言者の誰も、自分を崇めるように、またはアッラー以外のものを崇めるようにと人々に呼びかけた者はいなかった 

 この節 [3:79] が意味するのは、 アッラーが聖典、法の知識、預言者としての能力を授けた人が、人々に 「アッラーの代わりに私を崇めよ」 と、自分をアッラーと同格に言うことはないということである。それが預言者や使徒の権利でないならば、本当に、そのような主張をすることは他の誰の権利でもない。

 この批判は、誤った指導をする無知なラビ、聖職者、教職者のことについて言及されている。彼らは、使徒や使徒に従い正しい知識を持ち、知識を実行に移している人々とは違う。正しい知識を持つ人々は、尊い使徒から伝えられた通りに、アッラーに命ぜられたことだけを命じるからである。彼らはまた、尊い使徒たちの言葉により、アッラーに禁じられたことを禁じる。使徒たちは (彼らみなにアッラーの平安と祝福あれ) 、アッラーの御言葉と委託を預かる、アッラーとかれの被造物の間の特使である。使徒たちは実際、使命を果たして被造物に誠実に忠告し、真理を伝えた。

 アッラーの御言葉

[وَلَـكِن كُونُواْ رَبَّـنِيِّينَ بِمَا كُنتُمْ تُعَلِّمُونَ الْكِتَـبَ وَبِمَا كُنتُمْ تَدْرُسُونَ]

 ( むしろ「あなたがたは,主の忠実なラッバニーユーンとなりなさい。あなたがたは啓典を教えられ、それを学んでいるのである。」と(言ったものである)。)   使徒は人々にラッバニーユーンになるように命じた、ということである。イブン アッバース、アブ ラズィン、その他幾人かは、ラッバニーユーンは 「賢く、学識があって、辛抱強い」 という意味であると言った。

 アッ・ダッハークは、 アッラーの御言葉

[بِمَا كُنتُمْ تُعَلِّمُونَ الْكِتَـبَ وَبِمَا كُنتُمْ تَدْرُسُونَ]

 ( あなたがたは啓典を教えられ、それを学んでいるのである。) について、「クルアーンを学ぶ者は誰でもファキーフ (学識者) になるに値する」 と述べている。

 

[وَبِمَا كُنتُمْ تَدْرُسُونَ]

 ( それを学んでいるのである。) その言葉を暗記している

 

 それからアッラーは仰せられた

[وَلاَ يَأْمُرَكُمْ أَن تَتَّخِذُواْ الْمَلَـئِكَةَ وَالنَّبِيِّيْنَ أَرْبَابًا]

 ( かれは天使や預言者たちを主としなさい,と命じることも出来ない。)  預言者は、遣わされた使徒であれ天使であれ、アッラー以外の何物をも崇拝することは命じていない。

 

[أَيَأْمُرُكُم بِالْكُفْرِ بَعْدَ إِذْ أَنتُم مُّسْلِمُونَ]

 ( あなたがたがムスリムになった後,かれがどうして,不信心をあなたがたに命じることが出来ようか。)  彼はそんなことは到底しない、ということである。アッラー以外のものを崇めるように呼びかける者はクフルに呼びかけたことになるからである。預言者はイマーンに呼びかけ、アッラーに何の同格も配せずにアッラーだけを崇拝することを命じるだけである。

 アッラーは別の節で仰せられた、

[وَمَآ أَرْسَلْنَا مِن قَبْلِكَ مِن رَّسُولٍ إِلاَّ نُوحِى إِلَيْهِ أَنَّهُ لا إِلَـهَ إِلاَّ أَنَا فَاعْبُدُونِ ]

 ( あなた以前にも,われが遣わした使徒には,等しく,「われの外に神はない,だからわれに仕えよ。」と啓示した。) [21:25]

 

[وَلَقَدْ بَعَثْنَا فِي كُلِّ أُمَّةٍ رَّسُولاً أَنِ اعْبُدُوا اللَّهَ وَاجْتَنِبُوا الْطَّاغُوتَ]

 (本当にわれは、各々の民に一人の使徒を遣わして「アッラーに仕え、邪神を避けなさい。」と(命じた)。) [16:36] 

 また、

 

[وَاسْئلْ مَنْ أَرْسَلْنَا مِن قَبْلِكَ مِن رُّسُلِنَآ أَجَعَلْنَا مِن دُونِ الرَّحْمَـنِ ءَالِهَةً يُعْبَدُونَ ]

 ( あなた以前にわれが遣わした,使徒たちに問いなさい。われは,慈悲深き御方以外に仕えるべき神々を置いたのか。) [43:45]

 アッラーは天使に関して仰せられている

[وَمَن يَقُلْ مِنْهُمْ إِنِّى إِلَـهٌ مِّن دُونِهِ فَذلِكَ نَجْزِيهِ جَهَنَّمَ كَذَلِكَ نَجْزِى الظَّالِمِينَ ]

 ( もしかれらの中に,「本当にわたしは,かれとは別の神である。」と言う者があれば,われはこのような者を,地獄で報いる。不義を行う者にこのように報いる。) [21:29].

 

[وَإِذْ أَخَذَ اللَّهُ مِيثَـقَ النَّبِيِّيْنَ لَمَآ ءَاتَيْتُكُم مِّن كِتَـبٍ وَحِكْمَةٍ ثُمَّ جَآءَكُمْ رَسُولٌ مُّصَدِّقٌ لِّمَا مَعَكُمْ لَتُؤْمِنُنَّ بِهِ وَلَتَنصُرُنَّهُ قَالَ ءَأَقْرَرْتُمْ وَأَخَذْتُمْ عَلَى ذلِكُمْ إِصْرِى قَالُواْ أَقْرَرْنَا قَالَ فَاشْهَدُوا وَأَنَا مَعَكُمْ مِّنَ الشَّاهِدِينَ - فَمَنْ تَوَلَّى بَعْدَ ذَلِكَ فَأُوْلَـئِكَ هُمُ الْفَـسِقُونَ ]

 (81. アッラーが預言者たちと約束された時を思え。(かれは仰せられた)。「われは啓典と英知とをあなたがたに授ける。その後で,あなたがたが持つ(啓典)を実証するため,一人の使徒があなたがたのところに来るであろう。(その時)あなたがたはかれを信じ,かれを助けなさい。」かれは仰せられた。「あなたがたはこれを承知するか。このことについて,われと固い約束をするか」かれらは申し上げた,「承知しました」「それならあなたがたは証言しなさい。われもあなたがたと共に立証しよう。」と仰せられた。) (82. その後で,背いたならば,それらの者こそ背信者である。)

 

 われの遣わす預言者ムハンマドを信じることについて預言者たちから誓約を得る

 アッラーは、かれが遣わされたアーダムからイーサーまでのそれぞれの預言者に約束させたことを述べておられる。アッラーが啓典と英知を彼らに与え、そうして彼らにふさわしい高い地位を得させて、その後で一人の使徒が来たら彼らはその使徒を信じて支えなければならないという約束である。アッラーがその預言者たちに知識と預言者としての能力を授けたとしても、この事実はその預言者たちの後に来る預言者に従い、支えることをやめさせることにならない。

 このために至高、至大なるアッラーは仰せられた

[وَإِذْ أَخَذَ اللَّهُ مِيثَـقَ النَّبِيِّيْنَ لَمَآ ءَاتَيْتُكُم مِّن كِتَـبٍ وَحِكْمَةٍ]

 ( アッラーが預言者たちと約束された時を思え。(かれは仰せられた)。「われは啓典と英知からあなたがたに授ける )  われが啓典と英知をあなたに与えたら、ということである。

[ثُمَّ جَآءَكُمْ رَسُولٌ مُّصَدِّقٌ لِّمَا مَعَكُمْ لَتُؤْمِنُنَّ بِهِ وَلَتَنصُرُنَّهُ قَالَ ءَأَقْرَرْتُمْ وَأَخَذْتُمْ عَلَى ذلِكُمْ إِصْرِى]

 ( その後で,あなたがたが持つ(啓典)を実証するため,一人の使徒があなたがたのところに来るであろう。(その時)あなたがたはかれを信じ,かれを助けなさい。」 かれは仰せられた。「あなたがたはこれを承知するか。このことについて,イスリーを取るか」 )

 イブン アッバース、ムジャーヒド、アッ・ラビーゥ、カターダ、アッ・スッディ は、イスリーは 『われの契約』 という意味であると言った。

 ムハンマド ビン イスハークは、

[إِصْرِى]

 ( イスリー )  は、「あなたが取るわれの契約についての責任」 という意味で、あなたがわれに与えた批准された誓約 のことであると言った。

[قَالُواْ أَقْرَرْنَا قَالَ فَاشْهَدُوا وَأَنَا مَعَكُمْ مِّنَ الشَّاهِدِينَفَمَنْ تَوَلَّى بَعْدَ ذَلِكَ]

 ( かれらは申し上げた,「承知しました」「それならあなたがたは証言しなさい。われもあなたがたと共に立証しよう。」と仰せられた。その後で,背いたならば,)  この誓いと契約を履行することから背いたならば、

 

[فَأُوْلَـئِكَ هُمُ الْفَـسِقُونَ]

 ( それらの者こそ背信者である。)  アリ ビン アビ ターリブ と 彼の従兄弟 アブドッラー ビン アッバース は言った、「アッラーは、一人の預言者も、彼の存命中にムハンマド {saw} が送られた場合はムハンマド {saw} を信じて支えるという誓約をさせてからでなければ、遣わさなかった。」 アッラーは預言者一人ひとりに、その時代にムハンマド {saw} が送られた場合はムハンマド {saw} を信じて支えることを、それぞれの民に誓約させることを命ぜられた。 タウス、アル・ハサン、カターダは、「アッラーは預言者たちに互いを信じるように約束させられた。」 と言っているが、これは アリ と イブン アッバース が言ったことと矛盾しない。

 従って、ムハンマド {saw} は復活の日まで最後の預言者である。彼はもっとも偉大なイマームで、いつの時代にいたとしても、他のすべての預言者より優位に従われるに値する。だからこそ、ムハンマド {saw} はイスラーの夜に預言者たちがバイト アル・マクディス (エルサレム) に集った時の礼拝を先頭に立って導いた。彼は、招集の日に主がかれのしもべの間を裁きに来られる時の仲裁者である。 これはアル・マカーム アル・マハムード (称賛された場)  で [17:79 を参照] 、ムハンマド {saw} だけがそこに値する。偉大な預言者や使徒たちがその責務を負うことを辞退するが、ムハンマド {saw} は執り成しの役目を務める。彼にアッラーの平安と祝福あれ。 

 

[أَفَغَيْرَ دِينِ اللَّهِ يَبْغُونَ وَلَهُ أَسْلَمَ مَن فِي السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضِ طَوْعًا وَكَرْهًا وَإِلَيْهِ يُرْجَعُونَ - قُلْ آمَنَّا بِاللَّهِ وَمَآ أُنزِلَ عَلَيْنَا وَمَآ أُنزِلَ عَلَى إِبْرَاهِيمَ وَإِسْمَـعِيلَ وَإِسْحَـقَ وَيَعْقُوبَ وَالاٌّسْبَاطِ وَمَا أُوتِىَ مُوسَى وَعِيسَىٰ وَالنَّبِيُّونَ مِن رَّبِّهِمْ لاَ نُفَرِّقُ بَيْنَ أَحَدٍ مِّنْهُمْ وَنَحْنُ لَهُ مُسْلِمُونَ - وَمَن يَبْتَغِ غَيْرَ الإِسْلَـمِ دِينًا فَلَن يُقْبَلَ مِنْهُ وَهُوَ فِي الآخِرَةِ مِنَ الْخَـسِرِينَ ]

 (83. アッラーの宗教の外に,他(の宗教)を求めるというのか,天と地にあるものは,好むと好まざるとを問わず,只かれに服従,帰依し,かれ(の許)に帰されるのである。) (84. 言え,「わたしたちはアッラーを信じ,わたしたちに下されたものを信じ,またイブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブおよび諸支族に下されたものを信じ,またムーサーとイーサーと(その他の)預言者たちに主から授かったものを信じます。わたしたちはかれら(預言者たち)の間に,どんな差別もしません。わたしたちは,只かれに服従,帰依します。」) (85. イスラーム以外の教えを追求する者は,決して受け入れられない。また来世においては,これらの者は失敗者の類である。)

 

 アッラーに認められる唯一の宗教はイスラームである

 アッラーは、同格を配せずにアッラーだけを崇めるという宗教のために啓典と使徒たちを遣わされた。それ以外の宗教を好む者を非難されている。

[وَلَهُ أَسْلَمَ مَن فِي السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضِ]

 進んで、またはそうでなくとも、 ( 天と地にあるものは,只かれに服従,帰依し,)  

 アッラーは別の節で仰せられた、

[وَللَّهِ يَسْجُدُ مَن فِي السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضِ طَوْعًا وَكَرْهًا]

 (天と地上で凡てのものは、好むと好まないとに拘らず、アッラーにサジダする。) [13:15]

 また、

[أَوَ لَمْيَرَوْاْ إِلَىخَلَقَ اللَّهُ مِن شَىْءٍ يَتَفَيَّأُ ظِلَـلُهُ عَنِ الْيَمِينِ وَالْشَّمَآئِلِ سُجَّدًا لِلَّهِ وَهُمْوَلِلَّهِ يَسْجُدُ مَا فِي السَّمَـوَتِ وَمَا فِي الاٌّرْضِ مِن دَآبَّةٍ وَالْمَلَـئِكَةُ وَهُمْ لاَ يَسْتَكْبِرُونَ يَخَـفُونَ رَبَّهُمْ مِّن فَوْقِهِمْ وَيَفْعَلُونَ مَا يُؤْمَرُونَ ]

 (あなたがたは、アッラーの創造なされる凡てのものにおいて、その影が、右から左に回って、アッラーに敬虔にサジダするのを見る。本当に天にあり地にある凡ての生きものも、また天使たちも(アッラーにサジダし)、かれらは(主の御前で)高慢ではない。かれらの上におられる主を畏れ、命じられることをかれらは実行する。) [16: 48-50]

 

 それゆえ、誠実な信者は心と体でアッラーに服従、帰依する。それに対して不信者は気が進まなくとも体だけアッラーに服従する。彼らが服従するのはただ、アッラーの御力、圧倒的な支配力と強力な王権の下で逆らうことも抵抗することもできないためである。

 

 ワキーゥ は ムジャーヒド がこの節

[وَلَهُ أَسْلَمَ مَن فِي السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضِ طَوْعًا وَكَرْهًا]

 ( 天と地にあるものは,好むと好まざるとを問わず,只かれに服従,帰依し,) は、次の節と同様であると述べたことを報告している。

[وَلَئِن سَأَلْتَهُمْ مَّنْ خَلَقَ السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضَ لَيَقُولُنَّ اللَّهُ]

 ( もしあなたがかれらに,「天地を創ったのは誰か。」と問えば,かれらは必ず「アッラー。」と言うであろう。) [39:38]

 

 彼はまた、イブン アッバースが

[وَلَهُ أَسْلَمَ مَن فِي السَّمَـوَتِ وَالاٌّرْضِ طَوْعًا وَكَرْهًا]

 ( 天と地にあるものは,好むと好まざるとを問わず,只かれに服従,帰依し,)   について、「かれが彼らと約束された時に」 と言ったことを報告している。

 

[وَإِلَيْهِ يُرْجَعُونَ]

 ( かれ(の許)に帰されるのである。)    帰される日、かれが各人に行いによって報奨を授けるか罰を与えるかなさる時に。

 

 それからアッラーは仰せられた

[قُلْ آمَنَّا بِاللَّهِ وَمَآ أُنزِلَ عَلَيْنَا]

 ( 言え,「わたしたちはアッラーを信じ,わたしたちに下されたものを信じ,)  クルアーン

 

[وَمَآ أُنزِلَ عَلَى إِبْرَاهِيمَ وَإِسْمَـعِيلَ وَإِسْحَـقَ وَيَعْقُوبَ]

 ( またイブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブに下されたもの)  啓典と啓示

 

[وَالأَسْبَاطَ]

 ( およびアスバートに下されたものを信じ,)   アル・アスバートは、イスラエル (ヤアコーブ) の12人の子を起源とする12氏族。

 

[وَمَا أُوتِىَ مُوسَى وَعِيسَىٰ]

 ( またムーサーとイーサーに授けられたものを信じます。)  アッ・タウラー (律法) と アル・インジール (福音)

 

[وَالنَّبِيُّونَ مِن رَّبِّهِمْ]

 ( と主からの(その他の)預言者たちを信じます。 )  そして、これはアッラーの預言者全員を包含している。

 

[لاَ نُفَرِّقُ بَيْنَ أَحَدٍ مِّنْهُمْ]

 ( わたしたちはかれら(預言者たち)の間に,どんな差別もしません。)  わたしたちは彼らみなを信じます。

 

[وَنَحْنُ لَهُ مُسْلِمُونَ]

 ( わたしたちは,只かれに服従,帰依します。」)

 したがって誠実なムスリムは、アッラーが遣わされた預言者みなと、かれが啓示された書みなを信じ、それらのどれ一つについても不信感を抱くことは決してない。むしろ、彼らはアッラーに啓示されたことを信じ、アッラーに遣わされた預言者みなを信じる。

 

 アッラーは次に仰せられた

[وَمَن يَبْتَغِ غَيْرَ الإِسْلَـمِ دِينًا فَلَن يُقْبَلَ مِنْهُ]

 ( イスラーム以外の教えを追求する者は,決して受け入れられない。)  アッラーが定められたもの以外のものを誰が求めても、それは彼から受け入れられることはない。

 

[وَهُوَ فِي الآخِرَةِ مِنَ الْخَـسِرِينَ]

 ( また来世においては,その人は失敗者の類である。)  

 信頼できるハディースで預言者が次のように言われたように

«مَنْ عَمِلَ عَمَلًا لَيْسَ عَلَيْهِ أَمْرُنَا، فَهُوَ رَد»

 ( わたしたちの事柄 (宗教) に一致しない行動を誰が行っても、それは拒絶される。)

 

[كَيْفَ يَهْدِى اللَّهُ قَوْمًا كَفَرُوا بَعْدَ إِيمَـنِهِمْ وَشَهِدُواْ أَنَّ الرَّسُولَ حَقٌّ وَجَآءَهُمُ الْبَيِّنَـتُ وَاللَّهُ لاَ يَهْدِى الْقَوْمَ الظَّالِمِينَ - أُوْلَـئِكَ جَزَآؤُهُمْ أَنَّ عَلَيْهِمْ لَعْنَةَ اللَّهِ وَالْمَلَـئِكَةِ وَالنَّاسِ أَجْمَعِينَ خَـلِدِينَ فِيهَا لاَ يُخَفَّفُ عَنْهُمُ الْعَذَابُ وَلاَ هُمْ يُنظَرُونَ إِلاَّ الَّذِينَ تَابُواْ مِن بَعْدِ ذَلِكَ وَأَصْلَحُواْ فَإِنَّ اللَّهَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ ]

 (86. アッラーはどうしてこれらの者を導かれようか,一度信仰を受け入れて後,不信心になる仲間,また使徒が真実であることを証言し,明証がかれらに来た後,不信心になる仲間を。本当にアッラーは,不義の民を御導きにならない。)  (87. かれらへの報酬は,アッラーと天使たち,そして人びとが一斉にかれらの上に注ぐ呪であり,) (88. かれらは永遠にその中に住むであろう。その懲罰は軽減されないし,また猶予されない。) (89. だが後に悔い改めて,身を修める者は別である。本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。)

 

 信じた後に不信者となった人々をアッラーは導かれない、悔悟する者を除いては

 イブン ジャリールはイブン アッバースが言ったことを記録している。「アンサールのある人がイスラームを受け入れたが、後に逆戻りして多神教徒に加わった。彼はその後で悔やみ、『私が悔悟できるかどうか、私のためにアッラーの使徒に頼んでくれないか』 と言って部族のを送った。

 その時、

[كَيْفَ يَهْدِى اللَّهُ قَوْمًا كَفَرُوا بَعْدَ إِيمَـنِهِمْ]

 ( アッラーはどうして,一度信仰を受け入れて後,不信心になる仲間を導かれようか )

 から

[فَإِنَّ اللَّهَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ]

 ( 本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。)  までが啓示された。彼の近親の者たちはそれを伝え、彼は再びイスラームを受け入れた。」

 これはアン・ナサーイ、アル・ハーキム、イブン ハッバーンによって記録された文言である。アル・ハーキムは、「この伝承経路はサヒーフである」 と言ったが、彼らはそれ (イスナード) を記録していない。

 

 アッラーの御言葉

[كَيْفَ يَهْدِى اللَّهُ قَوْمًا كَفَرُوا بَعْدَ إِيمَـنِهِمْ وَشَهِدُواْ أَنَّ الرَّسُولَ حَقٌّ وَجَآءَهُمُ الْبَيِّنَـتُ]

 ( アッラーはどうしてこれらの者を導かれようか,一度信仰を受け入れて後,不信心になる仲間,また使徒が真実であることを証言し,明証がかれらに来た後,不信心になる仲間を。)  は、 証拠も証明も確立されている、ということである。使徒が遣わされたときに齎した真理は証言されている。真理はそうして彼らに説明されたが、彼らは多神崇拝の闇に戻ってしまった。それで、進んで全くの盲目に跳び込んだそのような人々が、その後で導きに値するだろうか。

 このため、アッラーは仰せられた、

[وَاللَّهُ لاَ يَهْدِى الْقَوْمَ الظَّالِمِينَ]

 ( 本当アッラーは,不義の民を御導きにならない。) 

 

 かれはそれから仰せられた

[أُوْلَـئِكَ جَزَآؤُهُمْ أَنَّ عَلَيْهِمْ لَعْنَةَ اللَّهِ وَالْمَلَـئِكَةِ وَالنَّاسِ أَجْمَعِينَ ]

 ( かれらへの報酬は,アッラーと天使たち,そして人びとが一斉にかれらの上に注ぐ呪であり,)

 アッラーは彼らを呪われる。そして、かれが創造されたものも彼らを呪う。

 

[خَـلِدِينَ فِيهَآ]

 ( かれらは永遠にその中に住むであろう。)  呪いの中に。

 

[لاَ يُخَفَّفُ عَنْهُمُ الْعَذَابُ وَلاَ هُمْ يُنظَرُونَ]

 ( その懲罰は軽減されないし,また猶予されない。)   懲罰は一時間さえも減らされない。

 その後で、アッラーは仰せられた

[إِلاَّ الَّذِينَ تَابُواْ مِن بَعْدِ ذَلِكَ وَأَصْلَحُواْ فَإِنَّ اللَّهَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ ]

 ( だが後に悔い改めて,身を修める者は別である。本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。)

 この節には、被造物が悔悟した時の、アッラーの優しさ、同情、慈悲、恵みが示されている。このような場合、かれは彼らを赦されるのである。

 

 

[إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا بَعْدَ إِيمَـنِهِمْ ثُمَّ ازْدَادُواْ كُفْرًا لَّن تُقْبَلَ تَوْبَتُهُمْ وَأُوْلَـئِكَ هُمُ الضَّآلُّونَ - إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا وَمَاتُواْ وَهُمْ كُفَّارٌ فَلَن يُقْبَلَ مِنْ أَحَدِهِم مِّلْءُ الاٌّرْضِ ذَهَبًا وَلَوِ افْتَدَى بِهِ أُوْلَـئِكَ لَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ وَمَا لَهُمْ مِّن نَّاصِرِينَ ]

 (90. だが一度信仰した後不信心になり,不信心を増長した者は,悔悟しても決して受け入れられないであろう。かれらは迷い去った者である。) (91. 信仰を拒否する不信者として死ぬ者は,仮令大地に満ちる程の黄金でその罪を償おうとしても,決して受け入れられない。これらの者には痛ましい懲罰があり,助ける者もない。)

 

 不信者が死んでから悔悟しても、復活の日に自身を償おうとしても受け入れられない

 

 アッラーは、信じた後に不信心に戻る者、また死ぬまで信じないと言い張る者に警告されている。その場合、死んでから悔悟しても受け入れられないと、かれは述べられている。

 同様に、アッラーは仰せられた

[وَلَيْسَتِ التَّوْبَةُ لِلَّذِينَ يَعْمَلُونَ السَّيِّئَـتِ حَتَّى إِذَا حَضَرَ أَحَدَهُمُ الْمَوْتُ]

 ( だが,死に臨むまで悪行を続ける者の悔悟は御赦しになられない。) [4:18]

 このため、邪悪の道のために真理の道を放棄する者に、アッラーは仰せられたのである

[لَّن تُقْبَلَ تَوْبَتُهُمْ وَأُوْلَـئِكَ هُمُ الضَّآلُّونَ]

 ( 悔悟しても決して受け入れられないであろう。かれらは迷い去った者である。)  

 アル・ハーフィズ アブ バクル アル・バッザル は、イブン アッバースが言ったことを記録している。イスラームを受け入れ、不信仰に戻り、再びムスリムになった後にイスラームから逆戻りしてしまった人たちがいた。彼らはこのことについてアッラーの使徒 {saw} に尋ねるために同族の者を送った。 それに関して、この節が啓示された

 

[إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا بَعْدَ إِيمَـنِهِمْ ثُمَّ ازْدَادُواْ كُفْرًا لَّن تُقْبَلَ تَوْبَتُهُمْ]

 ( だが一度信仰した後不信心になり,不信心を増長した者は,悔悟しても決して受け入れられないであろう。)  

 この伝承経路は申し分ない。

 その後、アッラーは仰せられた

[إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا وَمَاتُواْ وَهُمْ كُفَّارٌ فَلَن يُقْبَلَ مِنْ أَحَدِهِم مِّلْءُ الاٌّرْضِ ذَهَبًا وَلَوِ افْتَدَى بِهِ]

 ( 信仰を拒否する不信者として死ぬ者は,仮令大地に満ちる程の黄金でその罪を償おうとしても,決して受け入れられない。これらの者には痛ましい懲罰があり,助ける者もない。)

 不信心のまま死んだ者はどんなよい行いも受け入れていただけない。たとえ大地に満ちる程の黄金を服従の行為をするように差し出したとしても。

 預言者 {saw} は、アブドッラ ビン ジュドアンについてたずねられた。彼は客をよてもてなし、負債のある者を助け、(貧しい者に) 食べ物を与えていたが、そのようなよい行いは彼の役に立つかと。預言者 {saw} は言った、

 

«لَا، إِنَّهُ لَمْ يَقُلْ يَوْمًا مِنَ الدَّهْرِ: رَبِّ اغْفِر لِي خَطِيئَتِي يَوْمَ الدِّين»

 ( 役に立たない。生前に一日さえも、彼は 『主よ、審判の日に私の罪をお赦しください』 と言わなかったのだから。)

 同様に、もし不信者が大地に満ちる程の黄金を償いとして差し出しても、それが彼から受け入れられることはない。 アッラーは仰せられた

[وَلاَ يُقْبَلُ مِنْهَا عَدْلٌ وَلاَ تَنفَعُهَا شَفَـعَةٌ]

 ( どんな償いも受け入れられず,どんな執り成しも無駄で,・・・・ ) [2:123]

 また、

[لاَّ بَيْعٌ فِيهِ وَلاَ خِلَـلٌ]

 ( 取引も友情も果たせない日 ) [14:31]

 また、 

 

[إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا لَوْ أَنَّ لَهُمْ مَّا فِي الاٌّرْضِ جَمِيعاً وَمِثْلَهُ مَعَهُ لِيَفْتَدُواْ بِهِ مِنْ عَذَابِ يَوْمِ الْقِيَامَةِ مَا تُقُبِّلَ مِنْهُمْ وَلَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ ]

 ( 信仰を拒否する者は,仮令地上にある一切のもの,更にこれに等しいものを積み重ねて復活の日の懲罰をあがなおうとしても,決して受け入れられず,痛ましい懲罰を受けるであろう。) [5:36]

 

 そのため、アッラーはここで仰せられたのである

 

[إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا وَمَاتُواْ وَهُمْ كُفَّارٌ فَلَن يُقْبَلَ مِنْ أَحَدِهِم مِّلْءُ الاٌّرْضِ ذَهَبًا وَلَوِ افْتَدَى بِهِ]

 ( 信仰を拒否する不信者として死ぬ者は,仮令大地に満ちる程の黄金でその罪を償おうとしても,決して受け入れられない。これらの者には痛ましい懲罰があり,助ける者もない。) 

 この節の意味することは、不信者はアッラーの罰を決して避けることはできないということである。たとえ大地に満ちる黄金を費やしたとしても、あるいは、大地に満ちる黄金で自身を償おうとしても。地球上の山、丘、砂、ちり、谷、森、土地と海の全てをもってしても。

 イマーム アフマド は、アナスから、アッラーの使徒が次のように言ったことを記録している。

 

«يُؤْتَى بِالرَّجُلِ مِنْ أَهْلِ الْجَنَّةِ فَيَقُولُ لَهُ: يَا ابْنَ آدَمَ، كَيْفَ وَجَدْتَ مَنْزِلَكَ؟ فَيَقُولُ: أَيْ رَبِّ خَيْرَ مَنْزِلٍ، فَيَقُولُ: سَلْ وَتَمَنَّ، فَيَقُولُ: مَا أَسْأَلُ وَلَا أَتَمَنَّى إِلَّا أَنْ تَرُدَّنِي إِلَى الدُّنْيَا فَأُقْتَلَ فِي سَبِيلِكَ عَشْرَ مِرَارٍ، لِمَا يَرَى مِنْ فَضْلِ الشَّهَادَةِ، وَيُؤْتَى بِالرَّجُلِ مِنْ أَهْلِ النَّارِ فَيَقُولُ لَهُ: يَا ابْنَ آدَمَ، كَيْفَ وَجَدْتَ مَنْزِلَكَ؟ فَيَقُولُ: يَا رَبِّ شَرَّ مَنْزِلٍ، فَيَقُولُ لَهُ: تَفْتَدِي مِنِّي بِطِلَاعِ الْأَرْضِ ذَهَبًا؟ فَيَقُولُ: أَيْ رَبِّ نَعَمْ، فَيَقُولُ: كَذَبْتَ، قَدْ سَأَلْتُكَ أَقَلَّ مِنْ ذَلِكَ وَأَيْسَرَ فَلَمْ تَفْعَلْ، فَيُرَدُّ إِلَى النَّار»

 

 ( 楽園の民のうち一人が連れて来られて、アッラーが彼におたずねになる、「アーダムの子よ、あなたの住まいはどうだったか。」 彼は言う、「主よ、たいへん良い住まいでした。」 アッラーは仰せられる、「乞い、願いなさい。」 彼は言う、「私が乞い、お願いしたいのはただ、あなたが私を元の世に戻してくださり、あなたの道のために10遍殺害されることです。」  殉教の名誉に与るためである。 業火の住人の一人が連れて来られて、アッラーが彼におたずねになる、「アーダムの子よ、あなたの住まいはどうだったか。」 彼は言う、「主よ、とてもひどい住まいでした。」 アッラーはたずねられる、「地上に満ちる黄金をもってわれに償いをするか。」 彼は言う、「はい、主よ。」 アッラーは仰せられる、「あなたは嘘をついた。われはあなたにそれより少なくてより簡単なものを求めたのに、それをしなかった。」 そして、彼は業火に送り返される。)

 このため、アッラーは仰せられた

[أُوْلَـئِكَ لَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ وَمَا لَهُمْ مِّن نَّاصِرِينَ]

 ( これらの者には痛ましい懲罰があり,助ける者もない。)  彼らをアッラーの責苦から守ってくれる者も、かれの痛ましい懲罰から救ってくれる者も、誰もいないのである。 

 

[لَن تَنَالُواْ الْبِرَّ حَتَّى تُنفِقُواْ مِمَّا تُحِبُّونَ وَمَا تُنفِقُواْ مِن شَىْءٍ فَإِنَّ اللَّهَ بِهِ عَلِيمٌ ]

 (92. あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り,信仰を全うし得ないであろう。あなたがたが(施しに)使うどんなものでも,アッラ―は必ず御存知である。)

 

 アル・ビッルは、それぞれの富の中から一番のものを費やすことである

 ワキーゥ が タフスィール で報告していることによると、アムルー ビン マイムーンは、

[لَن تَنَالُواْ الْبِرَّ]

 ( アル・ビッルを全うし得ないであろう。)  は、楽園を得ることに関する、と言った。

 

 イマーム アフマド はアナス ビン マーリクがこう言ったと報告している、「アブ タルハ は、アル・マディーナのアンサールの誰よりも財産を持っていた。財産の中でも彼がもっとも愛していたのはバイラハーウの園で、(使徒の) マスジドの前にあった。時々アッラーの使徒 {saw} はその園へ行って新鮮な水を飲んだものであった。」  

 アナスは続けて言った、 

[لَن تَنَالُواْ الْبِرَّ حَتَّى تُنفِقُواْ مِمَّا تُحِبُّونَ]

 「 ( あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り,アル・ビッルを全うし得ないであろう。)  この節が啓示されたとき、アブ タルハ は言った、『アッラーの使徒よ、アッラーは仰せられています-

[لَن تَنَالُواْ الْبِرَّ حَتَّى تُنفِقُواْ مِمَّا تُحِبُّونَ]

 ( あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り,アル・ビッルを全うし得ないであろう。) と。 バイラハーウの園は間違いなく、私が全財産の中で最も愛するものです。だからそれをアッラーの大義のために施したいのです。そしてそのビッルと報奨をアッラーに願います。アッラーの使徒よ、アッラーがあなたにさせる所で、それをお使いください。』  これについて、アッラーの使徒 {saw} は言った、

 

«بَخٍ بَخٍ، ذَاكَ مَالٌ رَابِحٌ، ذَاكَ مَالٌ رَابِحٌ، وَقَدْ سَمِعْتُ، وَأَنَا أَرَى أَنْ تَجْعَلَهَا فِي الْأَقْرَبِين»

 ( 本当によく決心した。本当によく決心した。それは有益な資産である。それは有益な資産である。私はあなたが言ったことを確かに聞いた。それで、あなたがあなたの親類縁者にそれを与えるならば、それが妥当だと思う。)

 アブ タルハ は言った、『そうします、アッラーの使徒よ。』 それからアブ タルハはその園を親戚や従兄弟に分けた。」

 このハディースは二つのサヒーフに記録されている。彼らはまたウマルがこう言ったと記録している、「アッラーの使徒よ、私は、ハイバルでの分け前より大切な資産を所有したことがありません。それゆえ、私がそれをどうすればよいかお命じになってください。」 預言者 {saw} は言った、

«حَبِّسِ الْأَصْلَ وَسَبِّلِ الثَّمَرَة»

 ( その土地を維持し、そこでできた果物をアッラーのために与えなさい )

 

[كُلُّ الطَّعَامِ كَانَ حِـلاًّ لِّبَنِى إِسْرَءِيلَ إِلاَّ مَا حَرَّمَ إِسْرَءِيلُ عَلَى نَفْسِهِ مِن قَبْلِ أَن تُنَزَّلَ التَّوْرَاةُ قُلْ فَأْتُواْ بِالتَّوْرَاةِ فَاتْلُوهَا إِن كُنتُمْ صَـدِقِينَ - فَمَنِ افْتَرَى عَلَى اللَّهِ الْكَذِبَ مِن بَعْدِ ذَلِكَ فَأُوْلَـئِكَ هُمُ الظَّـلِمُونَ - قُلْ صَدَقَ اللَّهُ فَاتَّبِعُواْ مِلَّةَ إِبْرَاهِيمَ حَنِيفاً وَمَا كَانَ مِنَ الْمُشْرِكِينَ ]

 (93. 律法が下される以前は,イスラエルの子孫が自ら禁じていたものの外,一切の食物はイスラエルの子孫に合法であった。(かれらに)言ってやるがいい。「もしあなたがたが真実なら,律法をもってきてそれを読誦しなさい。」) (94. その後においてもアッラーに関し虚偽を述べる者は,不義を行う者である。) (95. 言ってやるがいい。「アッラーは真実を語られる。だから純正なイブラーヒームの教えに従いなさい。かれは,多神教徒の仲間ではなかった。」)

 

 

 

続き (イムラーン家章 3ページ目へ)