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ムスリム・ムスリマの装い



目次

抑圧の印? 平等の印?

聖書から

聖クルアーンから

男性に禁じられたもの

女性に禁じられたもの

ヒジャブの種類

内なる衣装

男性の衣服の丈

スポーツをするムスリマとヒジャブ



Excellence of wearing white clothes and the permissibility of wearing red, green, yellow and black clothes made from Cotton, Linen but not Silk (英語・外部サイト)




転載禁止









抑圧の印? 平等の印?



ムスリマの装いは、西洋人や日本人に、「女性を抑圧している印」のように批判されることがあります。

イスラーム社会に比べて男女平等が進んでいると信じられている日本や西欧社会で、

多くの女性は
出かける前に念入りに化粧をし、若い女性では肌を露出したがったり、身体のラインを強調するような服を選ぶ傾向のある人もいます。

男性はというと、

きちんとした格好をするとき、首までのワイシャツに上までボタンをし、さらにネクタイで締めて、上着を着て長ズボンを履きます
(そのくせ、スカーフを被っているムスリマに「暑くないんですか?」と訝しげに聞いてきます)。

「よい印象を与えたい」「相手にそれなりの態度を取ってもらいたい」 と思うとき、短パンを履いたり女性のように肌を露出することはありません。

男性はスーツを着て首からつま先まで覆っても、「女性から抑圧されている」と見られることはありません。


 Nakata Khaula, A Japanese Woman's Experience of Hijab (English)






聖書から



キリスト教徒でも修道女がムスリマと同じように頭からつま先まで覆った装いをしています。

一般の信者はどうして同じような格好をしないのか?

正教会もムスリマのようにスカーフで覆っているし、カトリック教徒女性は教会で頭に布を載せている人といない人がいる。けれどプロテスタントは何もしないのはどういうわけか?

・・・・聖書には次のように書かれています。



しかし、あなたがたに知っていてもらいたい。すべての男のかしらはキリストであり、女のかしらは男であり、キリストのかしらは神である。

祈をしたり預言をしたりする時、かしらに物をかぶる男は、そのかしらをはずかしめる者である。

祈をしたり預言をしたりする時、かしらにおおいをかけない女は、そのかしらをはずかしめる者である。それは、髪をそったのとまったく同じだからである。

もし女がおおいをかけないなら、髪を切ってしまうがよい。髪を切ったりそったりするのが、女にとって恥ずべきことであるなら、おおいをかけるべきである。

男は、神のかたちであり栄光であるから、かしらに物をかぶるべきではない。女は、また男の光栄である。

なぜなら、男が女から出たのではなく、女が男から出たのだからである。

また、男は女のために造られたのではなく、女が男のために造られたのである。


あなたがた自身で判断してみるがよい。女がおおいをかけずに神に祈るのは、ふさわしいことだろうか。

〔聖書、コリント人への第一の手紙 / 11章 3-9,13節〕

また、女はつつましい身なりをし、適度に慎み深く身を飾るべきであって、髪を編んだり、金や真珠をつけたり、高価な着物を着たりしてはいけない。

むしろ、良いわざをもって飾りとすることが、信仰を言いあらわしている女に似つかわしい。

〔聖書、テモテへの第一の手紙 / 2章 9-10節〕









聖クルアーンから



ヒジャブ (覆い) というと、女性に当てはまる問題のように考えられがちですが、
アッラーは男性の視線に覆いをすることも命じられました。

男の信者たちに言ってやるがいい。「(自分の係累以外の婦人に対しては)視線を逸らし,貞潔を守れ。」 それはかれらのために一段と清廉である。アッラーはかれらの行うことを熟知なされる。

〔聖クルアーン 24. 御光 (アン・ヌール)30〕

このように、服装に限らず、ムスリムは男女ともに、異性との接触を避け、気軽に微笑んだり、余計な会話をすることを避けるように命じられています。

また、男性が最低限 覆わなければならないのは、へそから膝です (ハディースによる)。


そして続けて女性のヒジャブ (覆い) について言及されました。


信者の女たちに言ってやるがいい。かの女らの視線を低くし,貞淑を守れ。外に表われるものの外は*1,かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイル(原語はフムル)*2をその胸の上に垂れなさい。自分の夫または父の外は,かの女の美(や飾り)を表わしてはならない。なお夫の父,自分の息子,夫の息子,また自分の兄弟,兄弟の息子,姉妹の息子または自分の女たち,自分の右手に持つ奴隷,また性欲を持たない供回りの男,または女の体に意識をもたない幼児(の外は)。またかの女らの隠れた飾りを知らせるため,その足(で地)を打って*3はならない。

〔聖クルアーン 24. 御光 (アン・ヌール) 31〕
* 1 外に表われるもの は、「顔と手」 。 次のハディースからわかる。
アーイシャ (r) が伝えたことには、アブバクルの娘アスマが薄い生地の服を着てやって来たとき、アッラーの使徒はアスマのところへ行って、「アスマよ、女の子が初潮を迎えたら、こことここを除いて外に現れるのはふさわしくない。」 と言って顔と手を指した。

[アブダウード]
* 2 フムルは 「ヒマール」の複数形。ヒマールは頭部を覆うスカーフのこと。
* 3 イスラーム確立以前、女性はそのようにしてアンクレットが現れるようにしていた。

預言者よ,あなたの妻,娘たちまた信者の女たちにも,かの女らに長衣(原語はジャラービーブ)* 4 を纒うよう告げなさい。それで認められ易く,悩まされなくて済むであろう。

〔聖クルアーン、アル・アハザーブ 59〕
* 4 ジャラービーブ は 「ジルバーブ」 の複数形








男性に禁じられたもの



美しくよい身なりを整えることはイスラームで求められています。

言ってやるがいい。「アッラーがしもべたちに与えられた,かれからの装飾や,食料として(与えられた)清浄なものを,誰が禁じたのか。」

〔聖クルアーン、7. 高壁 (アル・アアラーフ) 32〕


ただし、2種類のものは女性に許されても男性に禁じられています。それは金の装飾品と絹製の衣服です。

アリー (r) が伝えたことには、預言者 (saw) はシルクを右手にゴールドを左手に置いて言った、「この2つは、私に従うもののうち男性にはハラーム (禁じられたもの) である。

***********
[アフマド、 アブダウード、アンナサーイ、イブンハイヤーン、イブンマジャ (は 「女性にはハラールである」という句も続けている) ]

ウマル (r) が伝えたことには、預言者 (saw) は言った、「絹を着てはいけない。この世で絹を纏うものは来世では着られない。」

[アルブハーリー、ムスリム ]


銀の装飾品は男性にも許されています。

Gold and Pure Silk Are Forbidden for Men: Why?







女性に禁じられたもの



装飾品は女性に許されていますが、夫以外の男性の気を引くために使うことは禁じられています。

「香水をつけて人々の中に入ってゆき、人にその香りを振りまく女性は姦婦である。そして、そのような女性に惹きつけられる目は姦夫の目である。」

[アンナサーイ、イブンフザイマ イブンハイヤーン]


また、先に挙げたクルアーンにあったように、隠れた飾りをちらつかせてはいけません。








ヒジャブの種類



女性の装いは次の段階に分かれます

夫の前では、何を着てもいい。夫だけが全身を見ることも触れることも許されているので。

子どもや他の女性の前、身内の (生涯結婚できない関係にある) 男性の前では、少なくとも胸部から膝までは覆う。

その他の男性の前では、顔と手以外は覆う。髪の毛と耳、首を覆うスカーフをまとい、身体の線が隠れるような服を着る。

the dress of the Muslim woman


ヒジャブの巻き方


たとえ髪の毛をすっかり覆っていても、海賊結びのように耳や首が見えるような巻き方は適切なヒジャブとは言えません。

スカーフの巻き方は色々あります。 youtube で "hijab" "how to wear hijab" などで検索すると、ヒジャブを販売しているお店が作成したビデオが多数あります。巻き方を見ることができます。







内なる衣装



ヒジャブで身体を覆っていても、男性を誘惑しようとしている人もたくさんいます。(最近のアラビア半島では、意図的に身体の線を強調する「タイトなアバーヤ (本来はゆったりとしている黒い外套)」というものまであり、若い女性に人気があります)

アーダムの子孫よ,われは,恥ずかしいところを覆い,また飾るために衣装をあなたがたに授けた。だが篤信という衣装こそ最も優れたものである。これはアッラーの印である。恐らくかれらは諭されるであろう。

〔聖クルアーン 7. 高壁 (アル・アアラーフ) 26〕







男性の衣服の丈



ムスリム女性は他人同士でも外見から互いをムスリマであると認識できることは言わずと知れていますが、ムスリム男性も、本来ならある程度は衣服の丈からわかるはずなのです。なぜなら、くるぶしの下を覆う衣服は、ムスリム男性にはハラーム〔*その証明〕である(禁じられている)からです。

アブ フライラ はアッラーの使徒 (saw) が次のように言ったと伝えている、「くるぶしの下まである衣服の部分は(復活の日の)火(の罰)となる。」

[Bukhaari Book #72, Hadith #678]


アブ ザッル は次のように伝えている、「3種類の人には、復活の日、アッラーはお声をかけてくださらない、見てもくださらない、清めてもくださらない。苦しい責苦があろう」 とアッラーの使徒 (saw) は三度言った。アブ ザッル はたずねた、「アッラーの使徒よ、どのような人々ですか。」 使徒 (saw) は答えた、「くるぶしの下まである衣服を着ている人、恩着せがましく言う人、嘘の誓いを立てて物を売る人。」

[Muslim, 106]


礼拝時だけ裾を捲り上げればよいというのは誤りです。(礼拝時に袖やズボンのすそをまくり上げたりすること








スポーツをするムスリマとヒジャブ




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